福島原発の事故発生から時系列でj事故経緯を見て理解し、分析し、原因を考える 福島第一原発の事故の原因を探る、検証する、対策を考える、建設的な案を創造する
原発五問点を解く 福島原発事故の経緯、構造、現状、を分析し建設的な対策を考える。
福島第一原発事故の原因を知って、再発防止、原子力発電の開発を支援するページ

 福島原発事故原因 P.1
福島第一原発の現状と経緯を見直して、疑問を感じ真の原因を考える(疑問・原因・対策)

原発操作に「問題なし」 東電、2・3号機の手順書提出

 東京電力は29日、福島第一原発2、3号機の事故時の操作状況に問題はなかったとする評価結果を発表した。経済産業省原子力安全・保安院には、28日に同様の内容の報告書を提出した。1号機の操作状況の評価結果は21日に提出している。

 東電は、事故時に使う運転操作手順書自体の公開は、知的財産や安全上の理由で拒んでいる。

 評価にあたり東電は、緊急停止の確認や原子炉への注水などの項目で状況を調べた。2号機では19項目中9項目、3号機では20項目のうち9項目で、手順書通りの操作ができたとしている。ほかは一部で手順書通りに操作できたか、操作自体ができる状況になかったとし、「操作状況に問題はなかった」と評価した。
−−−朝日新聞



原発事故の手順書、不十分だった…保安院長

東京電力福島第一原子力発電所の事故時運転操作手順書について、経済産業省原子力安全・保安院の深野弘行院長は25日、「電気があることが前提となっており、手順書を活用できなかった」と述べ、事故の想定が不十分だったとの認識を示した。

 同日の衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会で共産党の吉井英勝氏の質問に答えた。同原発事故では、津波により全電源が失われた。

 手順書を巡っては、東電が大半を黒塗りにして同特別委に提出したことが批判を受け、保安院が法律に基づいて黒塗りのない手順書の提出を東電に指示し、一部を24日に開示していた。
−−−読売新聞(23.10.26)

東電黒塗りのマニュアル


黒塗り手順書、一転公開…津波到達後は甘い想定

東京電力が、福島第一原子力発電所事故対応で使われた「事故時運転操作手順書」をほぼ黒塗りのまま衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に提出した問題で、経済産業省原子力安全・保安院は24日、「公表は問題ない」として、1号機の手順書の一部約170ページを氏名などを除いて開示した。

 資料からは、東電が手順書にない作業を強いられ、手探りで対応に当たっていたことがわかった。

 手順書と、事故後の実際の操作を比較した東電の報告書によると、東日本大震災発生時から津波到達までは、原子炉停止の操作はすべて手順書通りだった。しかし、津波襲来によって、外部電源に加え、非常用電源、バッテリーが失われたため、中央制御室での監視や操作が不能になり、非常用冷却装置の操作などがほとんどできなかった。そのため、手順書には電源喪失した場合の対処法も記載されていたが、役に立たなかった。格納容器の圧力を逃がす「ベント」に必要な弁の開閉も作業員が現場で操作せざるを得なくなった。事故時に応急的に実施した消防車による注水作業は、手順書に記載がなく、事故の想定が甘かったことが改めて浮き彫りになった。

東電マニュアル公開 甘い想定
資料NHK
−−−読売新聞(23.10.25)


2号機は爆発せず 4号機のみか

東京電力福島第一原子力発電所で、3月15日の早朝に2号機と4号機でほぼ同時に起きたとされる爆発について、東京電力は敷地内の地震計を分析したところ、4号機の原子炉建屋が爆発したもので、2号機では爆発が起きていない可能性があることを明らかにしました。

福島第一原発では、地震から4日後の3月15日の午前6時すぎ、2号機と4号機の原子炉建屋で、ほぼ同時に爆発が起きたとされてきました。しかし、東京電力が、敷地内にある地震計の振動と建屋からの距離をもとに分析したところ、爆発は午前6時12分に1回だけで、4号機で起きたとみられ、2号機では爆発は起きていない可能性があるということです。ただ、2号機は、ほぼ同じ時刻に、原子炉を収める格納容器の下部にある圧力抑制室の圧力計の値が急激に下がったことが確認されています。このため、東京電力は、2号機の圧力抑制室では地震計に記録されない振動の規模で損傷が起きた可能性もあるとみて、今後の復旧作業に向けて、圧力抑制室の損傷を調べる方法を検討することにしています。
−−−NHK(23.10.22)



2号機、水素爆発なかった可能性 東電社内事故調が見解

東京電力福島第一原発2号機で起きた爆発事故について、東電が社内に設置した事故調査委員会(委員長・山崎雅男副社長)が、これまで言われていた水素爆発ではなかったとする見解をまとめていたことが2日、わかった。発電所内の地震計からの推定だが、事故時の衝撃音や格納容器の圧力低下の原因については説明していない。

 2号機は3月15日午前6時ごろ、原子炉格納容器につながる圧力抑制室の圧力がゼロになった。その際、衝撃音がしたという。

 東電は当初、核燃料を覆う金属から水素が発生し、圧力抑制室にたまって爆発したことは否定できないと説明をしていた。6月に政府が国際原子力機関(IAEA)に提出した報告書にも、水素爆発と思われる、と記載された。
2号機は水素爆発でない見解東電発表

 ただ、1、3、4号機は水素爆発で原子炉建屋が吹き飛んだが、2号機は圧力を逃がすパネルが開いて建屋が吹き飛ばなかったことから、爆発の有無を調べるため、東電は発電所内の地震計の記録を分析した。

 その結果、2号機で衝撃音がした午前6時から同6時10分にかけて、爆発によるとみられる揺れは観測されていなかったという。揺れは午前6時12分に観測されていた。東電が解析したところ、4号機で発生したものとみられるという。
−−朝日新聞(23.10.3)

コメント:東電が2号機の爆発は水素爆発でないと半年も経過して、発表するのは何故だろう?水素爆発はいかにも素人的なミスで恥ずかしいのだろうか?それも4度も防がなかったので1つでも減らしたいのだろうがいずれにしても、過去の原発事故の教訓を生かしていない初歩的なミスは消えない。原子炉注水38時間止まったら溶解海外の原子炉事故を見る


2号機、実は水素爆発なかった…東電報告案
福島第一原子力発電所の事故を巡り、東京電力が社内に設置した「福島原子力事故調査委員会」(委員長=山崎雅男副社長)の中間報告案の詳細が明らかになった。
 2号機で水素爆発があったとする従来の見解を覆し、爆発はなかったと結論付けた。事故を招いた津波について「想定できなかった」と釈明し、初期対応の遅れについても、「やむを得なかった」との見解を示すなど、自己弁護の姿勢が目立つ。東電は、社外有識者による検証委員会に報告案を諮った後、公表する方針だ。
 同原発では、1号機の原子炉建屋が3月12日午後に水素爆発を起こしたのに続き、14日午前に3号機が水素爆発した。さらに15日早朝、爆発音が響き、4号機の建屋の損傷が確認された。爆発音の直後に2号機の格納容器下部の圧力抑制室の圧力が急落したため、東電は2、4号機でほぼ同時に爆発が起きたとし、政府も6月、国際原子力機関(IAEA)に同様の報告をしていた。
−−−読売新聞(23.10.2)


原子炉注水が38時間止まったら…東電が描く最悪想定
東京電力は1日、復旧作業中の福島第一原発1〜3号機で、仮にすべての対策ができずに原子炉への注水が中断したまま38時間過ぎると、核燃料が再び溶け出し、多量の放射性物質が放出されるという最悪のシナリオを明らかにした。
 注水が止まる原因として考えられるのは、炉内に注水しているポンプの故障、ポンプへの電源の喪失、タンクなど水源の喪失、注水ラインの損傷などだ。東電は原因が一つなら30分以内に復旧できるとみており、「複数のトラブルが起きても3時間程度で注水が復旧できる見込みだ」としている。
 1〜3号機の炉内の水温は、いずれも冷温停止の条件になる100度未満まで下がっているが、注水が止まれば、1時間で48〜51度上がるという。仮に注水が復旧しないと、18〜19時間で爆発の引き金になる水素が発生する1200度に到達する。さらに38〜50時間後に燃料の再溶融が始まり、圧力容器の底にたまった燃料がさらに外側の格納容器に漏れ出すという。
 ただ、ポンプには予備もあり、注水する経路はいくつもあるので注水が長時間中断することは考えにくいという。東電は「今後、注水システムの信頼性の向上に努めたい」と話している。
−−−朝日新聞(23.10.2)


[動画]原子炉注水システムの現況と運用(東電資料9.11)


コメント:画像で見る除染装置への配管や長いホース上の管は、あくまでも臨時で、1年以上に渡って、使用できるものとは思えない。
これらの配管の故障やポンプ、電源の故障は容易に起こりうるものと考えるべきだが、長時間中断することは考えにくいという東電の考え方は、当初事故を起こした時と少しも変わっていない。再度起こした場合責任問題だけではすまされない。




炉心溶融防げた?海水注入4時間早ければ

福島2号機爆発前 2号機爆発
2号機水蒸気を多量に発生 2号機爆発


東京電力福島第一原子力発電所事故で、放射性物質の大量放出の原因となった2号機の炉心溶融(メルトダウン)は、海水注入の開始が4時間早ければ防げた可能性が高いとするシミュレーション結果を、日本原子力研究開発機構の渡辺正・研究主幹らがまとめた。

19日から北九州市で始まる日本原子力学会で発表する。

 渡辺主幹らは、3月11日の電源喪失後の2号機原子炉内の温度や水位をコンピューターで再現。今回の事故と同様に、炉への注水が14日昼頃に停止したと仮定、何時間以内に注水を再開すれば炉心溶融が避けられたかを調べた。

 その結果、14日午後4時頃までに注水できれば、炉内の温度は1200度以下に保たれ、核燃料は溶けなかったとみられることがわかった。
−−読売新聞(23.9.17)

“4時間早ければ溶融回避”

東京電力福島第一原子力発電所の事故では1号機から3号機で核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きましたが、このうち大量の放射性物質の放出につながった2号機のメルトダウンは、実際より4時間早く水の注入を始めていれば防げた可能性のあることが、研究機関の解析で分かりました。

2号機原子炉内説明図
2号機原子炉説明図
福島原発各原子炉現況
福島第一原発各原子炉現況図

福島第一原発では、3月11日から14日にかけていずれも冷却機能を失って1号機、3号機、2号機の順にメルトダウンし、このうち2号機では、15日朝に起きた爆発で大量の放射性物質が放出され、放射能汚染が広がる大きな原因となりました。日本原子力研究開発機構は、2号機の原子炉の状態をコンピューターで再現し、メルトダウンを防ぐ手立てはなかったか調べました。実際の2号機の対応では、14日に水の注入のため原子炉の圧力を下げたあと午後8時ごろに水を入れ始めたとされています。解析では、午後4時半以降に圧力を下げて水を入れた場合、温度はいったん下がりますが、すでに原子炉の水位が大幅に低下しているため温度が上昇に転じ、メルトダウンに至ります。しかし、圧力を下げる作業をもっと早く始めて午後4時ごろまでに水の注入を始めた場合、燃料の表面温度は被覆管が壊れる1200度に達する前に下がりはじめ、メルトダウンを防げた可能性があるという解析結果となっています。東京電力の当時の対応では、2号機の周辺に消防車を配置して注水の準備を整えていましたが、3号機の水素爆発によって消防車が壊れるなどして水の注入のための作業開始に時間がかかっていました。東京電力は「放射線量が高いなど非常に厳しい環境下で懸命の作業を行ったもので、注水作業が遅れたとは考えていない」としています。解析を行った原子力機構の平野雅司安全研究センター長は「2号機は3日間、原子炉の冷却が続いていたので時間的に余裕があり、燃料の損傷を避けられた可能性が十分にある。困難はあってもなぜ速やかに原子炉に水を入れられなかったのか、運転員の行動や水を入れる準備の状況が事故調査の重要なポイントになる」と話しています。この研究結果は、今月19日から北九州市で開かれる日本原子力学会の大会で発表されます。
−−NHK(23.9.16)




4号機爆発、水の放射線分解も一因か

東京電力福島第1原発4号機で起きた原子炉建屋の爆発について、沸騰した使用済み核燃料プール内で、水の放射線分解が進んで、水素が大量発生したことが一因との分析を、東京大や日本原子力研究開発機構のチームがまとめた。放射線は、水を水素などに分解する。19日から北九州市で始まる日本原子力学会で発表する。

4号機爆発原因は水素以外の原因浮上
4号機建屋

 4号機のプールには、事故を起こした1〜4号機の中で最も多い1535本の燃料棒が入っていた。東日本大震災発生当時、定期検査で運転停止していたが、津波で電源を喪失。冷却機能が失われ、地震発生から4日後の3月15日に爆発した。

 水素爆発を起こした1、3号機では原子炉内にあった燃料棒が損傷し水素が発生したとされるが、4号機の燃料棒に目立った損傷はなかった。東電は排気筒を共有する3号機から水素が流入して、4号機の水素爆発にいたったと推定している。

 しかし、チームは3号機と4号機の爆発に約20時間の差があることに注目し、他の要因があると推測。フラスコ内の水を室温、97度、沸騰状態の3段階にして、放射線を照射。発生した水素の濃度を調べたところ、97度で室温の1.5倍、沸騰状態で100倍となることが分かった。

 水素は空気中の濃度が4%を超えると爆発の危険性が出てくる。建物上部にたまった水蒸気は壁で冷やされて水に戻るが、水素は気体のままで空気中に占める割合が高まったとみられる。

 チームの勝村庸介・東大教授(放射線化学)は「3号機からの流入に加え、放射線分解が重なったのではないか。今後、実際の原子炉建屋やプールの規模で起こるのかを検証したい」と話す。

 東電は「理屈上はありうるが、爆発させるほど水素が大量発生するかどうかは不明」としている。
−−毎日新聞(23.9.14)


ベント失敗なら線量数シーベルトの試算

東京電力福島第1原発事故で、経済産業省原子力安全・保安院は13日、事故発生当初に1号機の格納容器の圧力を下げるベント(排気)が失敗した場合、敷地境界での被ばく線量が「数シーベルト以上に達する」との試算を、3月12日に実施していたと発表した。数シーベルトを全身で一度に浴びると死ぬ恐れがある。
4号機水素爆発
4号機爆発

 ベントが難航していた12日午後1時ごろ、保安院職員が試算の文書を作成。官邸にいた平岡英治・保安院次長(当時)に知らされ、原子力安全委員会に文書がファクスされた。

 試算では、ベントできない状態が続くと、約10時間後の同日午後11時には格納容器内の圧力が上限値(約4.2気圧)の3倍に達して格納容器が破損。大量の放射性物質が放出されると想定した。被ばく線量は敷地境界で数シーベルト以上となり、気象条件次第で原発から3〜5キロで「著しい公衆被ばくの恐れがある」と記している。

 東電などによると、1号機は3月12日午前0時6分、格納容器内の圧力が上限値を上回る6気圧になった。午前9時ごろからベント作業を開始。作業に手間取ったが、保安院は「後に格納容器の圧力低下が確認された」としている。
−−毎日新聞(23.9.14).




菅前首相 原発事故を語る

管前首相原発事故を語る、NHK

東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故の発生から、半年となった11日、政府の責任者として対応に当たってきた菅前総理大臣が、NHKのインタビューに応じ、事故直後の状況や“脱原発依存”という考えを抱くに至った経緯を明らかにしました。

この中で、菅前総理大臣は、原発事故の初動対応で原子炉格納容器の内部圧力を下げる「ベント」と呼ばれる作業が遅れたことが、深刻な事態を招いたと指摘されていることについて、「ベントについては、関係者全員が一致してやるべきだと判断しながら、実行が遅れた。その理由が必ずしも当時はっきりしなかったし、現在もはっきりしていない」と述べました。そのうえで、考えられる理由について、「一つは技術的に放射線量が高いとか、暗いとか、いろいろな資材が足りないとかで作業ができなかったことは十分あり得る。もう一つは、当時東京電力の最高責任者の2人が事故が発生した11日の段階で本店におらず、そういうことが影響したのかもしれない」と述べました。また、菅氏は、事故直後東京電力が福島第一原発から撤退するという情報が伝えられたため、当時の清水社長を総理大臣官邸に呼び出したことを明らかにし、「『撤退したいのか』と聞くと、清水社長は、ことばを濁して、はっきりしたことは言わなかった。撤退したいという言い方もしないし、撤退しないで頑張るんだとも言わなかった。私からは、『撤退は考えられない』と強く申し上げた」と述べました。さらに菅氏は、原発事故の直後に政府として最悪の事態を想定したシミュレーションを行っていたと明らかにしたうえで、「最悪のシミュレーションまで行けば、首都圏を含めて何千万という単位で人が住めなくなる状況が出てくる。日本という国が、少なくとも今のような形では成り立たなくなる。そういう大きな危険性を避けるためにはどうしたらいいかと考えた末の私の結論が、原発依存そのものから脱却していくことだった」と述べました。そして、菅氏は「原発に対する事前の備えが全く十分でなかったことが、いろいろな対応の遅れや問題が生じた最大の原因だと思う。直接の原因は地震と津波だが、備えが不十分という意味では、私を含めて政治の責任、人災だったと思う」と総括しました。
−−NHK(23.9.12)



原発事故は人災、説明も伝言ゲーム…菅前首相
前管総理原因は人災
インタビューに答える菅前首相

菅直人前首相は5日、東京電力福島第一原子力発電所の事故対応を巡る読売新聞のインタビューに応じ、「事故前から色んな意見があったのに、しっかりした備えをしなかったという意味で人災だ」と事故を振り返った。

 そのうえで、経済産業省原子力安全・保安院や原子力安全委員会について「全電源喪失などを想定していなかったため、それに対応できなかった」と述べた。東電の情報伝達にも問題があったとし、同原発の吉田昌郎所長にも自ら電話をかけ、状況把握に努めたことを明らかにした。

 菅氏は事故後、前線本部となるオフサイトセンターに人員が集まれなかったことなどを挙げ、「想定していたシミュレーションがほとんど機能しなかった」と総括。東電についても、「(格納容器内の蒸気を放出する)ベントをするよう指示を出しても、実行されず、理由もはっきりしない。説明を求めても伝言ゲームのようで、誰の意見なのか分からなかった」とした。

 退陣表明後の8月27日に福島県を訪れ、長期間住めなくなる地域が出るとの見通しを伝え、汚染物質の中間貯蔵施設の県内設置を要請したことについては、「被災者の皆さんには大変申し訳ないことだが、3・11の時の総理として、一番厳しい見通しについて話をするのは自分の責任と考えた」と述べた。
ーー読売新聞、インフォーシーク(23.9.6)



疑問
排気管問題
: 
1.排気管の設計にミスか、工事ミスか、研修ミスか不明。いずれにしても、排気に関て、専門的な十分な注意が払われていなかったのではないだろうか?

排気管の共有



2.一般的にも排気の逆流防止を検討するのに、放射線を扱う原発がそれ以下の注意しか払われていなかったのではないか?

水素ガスの逆流で4号機爆発
逆流して爆発が起こる説明図(朝日新聞資料)

4号機排気管の水素の流れ
ガスを抜く配管

3.何故排気管を夫々別途に建設しなかったのか? たいした費用でもないのに、何排気管を共有にしたのか? そのリスクを検討したのか?

4、個別に排気管と煙突を作れば、3号機と4号機の爆発はまぬがれたのではないか?何故それをしなかったのだろう?


4号機爆発「3号機排気で」裏付け

東京電力は27日、福島第1原発4号機の原子炉建屋内のガスを外に逃がす配管周辺の線量を調べた結果を発表した。

 建屋側よりも外につながる側の方が線量が高く、これは3月15日に同建屋で起きた爆発の原因が、3号機から排気された放射性物質を含むガスが4号機側に逆流したことによるとする東電の推定を裏付けるという。

 東電は25日、4号機原子炉建屋にある非常用配管の放射能除去フィルターの線量を計測した。2列からなり、内側はいずれも毎時約0・1ミリシーベルトだったのに対し、3号機の配管につながる外側では約5・5〜6・7ミリシーベルトと高かった。

 4号機は被災時には定期検査中だったが、爆発が起きた。原因を調べる中で、排気筒を共有する3号機から、水素や放射性物質を含む排気が4号機に逆流し、建屋内にたまって水素爆発を起こしたと推定されている。
−−毎日新聞(23.8.28)



疑問
水素爆発

1.水素ガスの爆発に関して知識で知っているだけで、実際に、地震後当初から水素爆発を避ける手段をとっていたのであろうか?

東電、水素爆発予測せず ベント手順書なし

東京電力福島第1原発事故で、3月12日に起きた1号機の水素爆発について、政府の「事故調査・検証委員会」(畑村洋太郎委員長)の聴取に対し、東電側が爆発前に予測できていなかったと証言していることが分かった。長時間の全電源喪失時に格納容器を守るため実施するベント(排気)のマニュアル(手順書)がなかったことも判明。このため、作業に手間取るなど、初期対応で混乱した様子が浮かび上がった。
−−毎日新聞(2.3.8.17)


2.全て爆発してしまった後に、2号機に水素爆発防止で窒素を入れるとか温度を下げるとか、始めたが、何故それを当初から行い、1〜3号機の爆発をふせがなかったのか?
3. 設計段階から水素爆発防止装置などなかったと理解するが、どうして必然的におこるリスクへの対策がされてこなかったのだろうか?


原子炉や建屋の爆破を避けられなかったのだろうか? ベントに関して大きな疑問が残る。

疑問
ベントの不調、緊急冷却装置をオフのした報告の不徹底

1.ベントの弁が不調であるとか、あるがこのような重要な状況報告が水素ガ不徹底さが大きな問題を起こした。 爆発したリスクとベントするリスクの判断は、現場でも即座にできることと考えられるが、意思決定の時間お長さや、組織に問題があつのではないだろうか?
これは、当問題に限らず、東電の組織全体にも問題があるのでないだろうか?
2.緊急冷却装置のオフを知らされていなかったので、その後の動作が後手に回ったという報告があるか何故このような基本的に重大な報告が不徹底になるのか? 単にパニックだったでは、済まない問題ではないだろうか?
疑問
何故同じ様な事故が連発して発生したのだろうか? 最初に発生した事故から何も対策案を得られ中他のだろうか? 同じ場所に1〜6号機設置されていた為、個々の対応が困難だったのだろうか?
何故同じ場所に、排気管など共有した施設を作りリスクが個々より高くなりことを考慮しなかったのだろうか?

関係者によると、事故調に対し、東電側は原子炉や格納容器の状態に気を取られ、水素が原子炉建屋内に充満して爆発する危険性を考えなかったという趣旨の発言をし、「爆発前に予測できた人はいなかった」などと説明しているという。

 また、ベントについては、マニュアルがなかったため設計図などを参考にして作業手順などを検討。全電源が喪失していたため作業に必要なバッテリーなどの機材を調達し始めたが、型式などの連絡が不十分だったこともあり、多種多様な機材が運び込まれて、必要なものを選別する手間が生じた。

 さらに作業に追われる中、機材が約10キロ南の福島第2原発や作業員らが宿泊する約20キロ南のJヴィレッジに誤って配送され、取りに行かざるをえない状況になった。ある社員は「東電本店のサポートが不十分だった」と話しているという。

 一方、1号機の炉心を冷却するための非常用復水器(IC)が一時運転を中断していたものの、吉田所長ら幹部がそのことを把握せず、ICが稼働しているという前提で対策が検討されていたことも判明。事故調の聴取に吉田所長は「重要な情報を把握できず大きな失敗だった」などと話しているという。

 事故調は、東電側からの聴取内容と一連の事故に関するデータなどを精査した上で事故原因を解明していく方針だ。

 ◇震災翌日の首相視察「目的分からぬ」

 「目的が全く分からない」−−。菅直人首相が東日本大震災翌日の3月12日、東京電力福島第1原発を視察したことについて、現場のスタッフが政府の「事故調査・検証委員会」の調べに、懐疑的な感想を述べていることが明らかになった。

 菅首相からの「なぜこんなことになるのか」との質問には、「自由な発言が許され、十分な説明をできる状況ではなかった」と振り返る説明があった。また、海江田万里経済産業相が12日午前6時50分、1号機の原子炉格納容器の圧力を下げるベントの実施命令を出したことに、現場は「違和感が強く、意図的にぐずぐずしていると思われたら心外」と受け止めたという。

 陸上自衛隊のヘリコプターによる使用済み核燃料プールへの放水には、「ありがたかったが、作業効率が極めて低いと感じた。プールに入っていないと思われるケースが多かった」との感想があったという。

 ◇原発事故調査委・ヒアリング経過メモ(要旨)

 事故調査・検証委員会が、福島第1原発の吉田昌郎所長やスタッフ、関連企業の社員ら、学識経験者にヒアリングした経過を8月にまとめたメモの要旨は次の通り。

 <ベント>

・11日深夜から12日未明にかけ、炉心損傷を認識した吉田昌郎・福島第1原発所長がベント準備を指示

・マニュアルがなく、現場で設計図などを参照しながら必要な措置を検討し、弁操作に必要なバッテリー調達などから始めた。ストックを把握していなかったため、構内を探したり本店に調達要請したりと手間取った

・最終的にベントが成功したかは確認できていない。「成功した」とされているのは、格納容器の圧力低下や放射線量増加などの状況証拠からの推測。現在も確証を得られない

・ベントや注水に必要な資材が福島第2原発などに誤搬送され、第1原発から取りに行く人員を割かれるなど、本店のサポート体制は不十分

・海江田万里経済産業相のベント実施命令には違和感が強く、意図的にグズグズしていると思われたとしたら心外

 <水素爆発>

・1号機の水素爆発を予測できた者はいない。爆発後数時間以内に、炉心損傷で発生した水素が建屋に充満して爆発した可能性が高いと結論付けた。

水素爆発

 <甘い認識>

・炉心の熱を海に逃がすための海水ポンプが津波で故障した場合、非常用復水器(IC)などで炉心冷却しながら復旧すればよいという程度の認識だった

 <4号機の損傷>

・3号機から排気ラインを通じて逆流した水素がたまって爆発した可能性が考えられるが、逆流させるだけの空気圧が発生していたか疑問はある

 <菅首相の福島原発視察>

・12日早朝の首相来訪は目的・趣旨がまったくわからない

 <海水注入>

・防火水槽の淡水貯水量には限界があり、いずれ海水注入が必須になるとの認識はあった

・12日夕に官邸、東電本店から海水注入中断の指示があったが、注水を続けないと大変なことになるので、従ったふりをして継続

 <1号機の非常用復水器停止把握せず>

・担当作業員がICを11日午後6時半から約3時間、停止させたが、吉田所長らは把握せず、動いていることを前提に対策を講じた

 <ヘリ、放水車などによる放・注水>

・電源復旧作業の中断を余儀なくされた

・散発的な放水は作業効率が低く、使用済み核燃料プールに入っていないと思われるケースが多かった

 <想定地震超える>

・福島第1原発2、3、5号機の東西方向で、想定していた揺れである基準地震動を超えたが、東電によると原子炉の安全上重要な設備に大きな損壊は確認されず

 <想定津波を再計算>

・09年2月、海底地形と平均潮位を見直して想定津波を再計算。その結果、想定津波の高さが上昇した5、6号機については、非常用海水ポンプの電動機の架台の浸水対策をした。
−−毎日新聞(23.8.17)






福島第1原発:東電がベント不調を報告 会見では認めず


東京電力福島第1原発1号機で格納容器の圧力を下げるベント(排気)が失敗した可能性が高い問題で、東電が5月に経済産業省原子力安全・保安院に提出した解析結果の中で「格納容器ベント弁閉止」と記述していることが分かった。自ら失敗した可能性があることを事実上認めているにもかかわらず、その後も東電側は「(弁は当時)開いたままになっていると思われる」などと会見で説明しており、改めて説明責任が問われそうだ

解析結果は東電が5月23日に原子力安全・保安院に提出し、翌24日に公表した。計247ページからなり、地震直後からの計器のデータや作業記録に基づき、炉心の状況を推定した。1〜6号機ごとに解析概要と、根拠となる資料が添付されている。

 「格納容器ベント弁閉止」の記述は1〜3号機の解析をより詳細にまとめた別紙資料の中の一覧表にあった。3月12日午後2時半、推定できる事象として「格納容器圧力低下を確認」と記述し、その根拠を示す欄で「ベント成功は、圧力の低下が確認された午後2時半と仮定」と説明。午後2時49分に推定できる事象として「格納容器ベント弁閉止」と記述し、根拠を示す欄で「格納容器圧力の上昇から解析上当該事項を仮定」と説明していた。

 東電によると、午後3時36分の水素爆発の影響で格納容器圧力のデータを計測できなかったが、翌13日に復旧した計器データを分析すると再び圧力が上昇していた。上昇に転じた時間を調べたところ、12日午後2時49分にベント弁が閉じた可能性が高いとの解析結果が得られたという。

 一方、東電の松本純一原子力・立地本部長代理は、この問題を毎日新聞が報じた6月24日の会見で、当時の1号機の状態について「(ベントを行い圧力が低下した後で)圧力は横ばいで推移している。いったん弁が閉まると当然圧力は上がってくるので、ある程度ベントの経路(弁)は通じているのでは」と述べ、弁が開いたままの状態だったとの認識を示した。

 会見では「排気筒から白い湯気のようなものが確認された」とも説明したが、解析結果をはじめとする過去の報告書には一切記載されていない。

 東電広報はベント弁が閉じた可能性が高いことを認めながら「(圧力の再上昇前に)一定の圧力低下がみられたのでベントは成功したと考えている」と説明。ただし「白い湯気」については「聞いていない。(ベントの)成否の根拠はあくまで圧力低下」としている。
−−毎日新聞(23.7.22)





今まで説明されてきた原子炉の安全性(5重の扉)
責任者不在
1.放射性物質を閉じ込める五重の壁
  緊急冷却システム
何故連続爆発したのか?
2.緊急炉心冷却システム(ECCS)の例
想定津波に対する標高
日本にある原子力発電所
3.建物、施設、棟場内の施設の耐震性、津波対策
原子力発電の仕組み
原子発電の仕組み


疑問点1.:
何故 福島原発事故は起こったのか? 
何故 他の事故と比べて収束に時間がかかるのか?

なぜ福島第二原発は事故にならなかったか?
津波が原発を襲った説明図
福島第二は、津波保護壁で保護されていた。
4号機爆発は水の放射線分解か福島第一と第二の比較
東海第2発電 津波防壁
東海第二原発の津波防護壁




朝日新聞:事故の原因と現状

原発、核分裂は制御しているが、核燃料の「崩壊熱」止まらず(朝日新聞)

 止まっているはずの原子炉と、使用済みの燃料棒が次々と熱を発し、対応に苦慮する日々が続いている。様々な放射性物質の放出も止まらない。なぜこうなってしまったのか。原子力発電所と、エネルギーを生み出す核分裂反応の仕組みにさかのぼっておさらいした。

■「臨界」とは

 原子力発電は、核燃料から出る熱で水を沸かして蒸気をつくり、蒸気で風車のようなタービンを回して発電機を動かす。

 蒸気で発電するのは火力発電と同じだが、核燃料を使うのか、石炭や天然ガス、石油を使うのかが違っている。

 普通の原子力発電は、核燃料に3%ほど含まれるウラン235の原子が核分裂を起こすときに出る大きな熱を使っている。1グラムのウラン235が出すエネルギーは、石炭なら3トン分、石油なら2千リットル分に匹敵する膨大なものだ。

 核分裂は、原子の中心にある原子核が分裂すること。原子核は、中性子と陽子という2種類の粒子からできている。

 ウラン235に、外からきた中性子がぶつかると、小さな原子核に分かれて新しい中性子と熱エネルギーを出す。飛び出した中性子は、さらに近くのウラン235の原子核にぶつかり、核分裂が次々と起きて、大きな熱エネルギーを生み出す。

 核分裂を繰り返し、熱を出し続ける状態を「臨界」といい、発電をしているときはこの状態が保たれている。核燃料は細長い棒状の形。核分裂の状態は、中性子を吸収しやすい材料で作られた制御棒を出し入れして調整している。

■炉で湯を沸かし、発電

 核分裂させて湯をわかす巨大な装置が原子炉。東京電力などが採用する沸騰水型の原子炉では、蒸気を管を通して隣にある建物に運びタービンを回して発電している。発電後の蒸気は、復水器という装置で海水を使って冷やして水に戻され、再び原子炉に運ばれ、この循環を繰り返している。

 発電に使う水は、蒸気を作るためだけではなく、原子炉のなかで中性子の速度を落とし、反応を効率よく進める役割も果たしている。核分裂で出る中性子は飛ぶ速度が速すぎて、そのままでは、うまく次の核分裂を起こせないからだ。

 「水がなければ中性子が減速されず、連続的な核分裂反応が起こることはない」と京都大原子炉実験所の宇根崎博信教授は話す。つまり、原子炉が水のない空だき状態なら連続した核分裂はまず起きないことになる

 核燃料から出る熱は、核分裂によるものだけではない

 ウラン235が核分裂すると、いろんな原子核にわかれ、100種ほどの核分裂生成物と呼ばれる物質ができる。ほとんどが不安定な放射性物質。安定な状態になるまで、ベータ線などの放射線を出しながら「崩壊」を繰り返し、熱を出し続ける。その熱は核分裂を止めた直後で臨界状態のときの数%。核分裂生成物を多く含む使用済み核燃料は、平常時でもプールに入れて数年間、水で冷やし続ける必要がある。

 崩壊する速度は生成物によって違い、量が半分になるまでの時間を示す「半減期」は、1秒以下から1千万年以上までさまざま。原発事故ではヨウ素131(半減期8日)とセシウム137(30年)の検出が目立つ。

 東京工業大の鈴木達也准教授(放射化学)は「半減期が短いとすぐ崩壊してなくなり、長すぎると検出しにくい。ヨウ素131とセシウム137は検出されやすい半減期で量も多い」と説明。この2種は人体に取り込まれやすく、健康被害も心配される。

■冷却水、循環せず

 原発では、放射性物質をしっかり閉じこめる必要がある。核燃料を覆う管、厚さ16センチほどある鋼鉄製の圧力容器、厚さ3センチほどの鋼鉄製の格納容器、約2メートルの厚さのコンクリート壁などが、多重の壁とされてきた。

 福島第一原発では、制御棒を使って原子炉を緊急停止させ、核分裂を繰り返す臨界状態は止められた。だが、核燃料の中では核分裂生成物の崩壊が続いて熱を出し続けている。これを止める手だてはなく、冷やす水を循環させなければならない。

 しかし、そのためのポンプなどが津波で動かなくなった。原子炉や使用済み燃料プールにある核燃料を冷やすことができず、放射性物質の放出が続く重大な局面が続いている。(朝日新聞、本多昭彦、吉田晋、米山正寛)





ナショナル・グラフィック・ニュース:アメリカ科学者団体


福島第一原発の損害がどの程度深刻になるか現時点で見通しは立っていない。15日の時点で6基ある原子炉のうち3基で水素爆発が発生。さらに、2基で格納容器が損傷、4基で使用済み核燃料が過熱し、極めて危険なレベルの放射線が検出された。構内に残って作業を続ける作業員50人が被曝の危険にさらされるなど、事態は深刻化している。

 しかし、1979年にアメリカ、ペンシルバニア州ハリスバーグ郊外のスリーマイル島原発で起きた事故や、1986年のウクライナ北部チェルノブイリ市の原発事故とは大きく異なる点が既にいくつかわかっている。
◆事故の原因


福島原発の事故では、津波が直接の原因となった可能性が高い」と同氏は指摘する。設計通り、地震の揺れを検知して運転を自動停止したが、 約1時間後に大津波が押し寄せ、すべての電源を喪失した。地震で冷却ポンプの動作を保つ外部電源が停止、冷却系への電力供給を担う非常用ディーゼル発電機は津波をかぶり故障した。非常用バッテリーもわずか8時間で切れたため、移動式発電機が搬入されている。

 アメリカの科学者団体、憂慮する科学者同盟(UCS)の原子力安全プログラム(Nuclear Safety Program)責任者を務めるデイビッド・ロッシュバウム氏(David Lochbaum)氏は、「一連の災害と事故との因果関係を判断するのは時期尚早だ」と指摘する。同氏はアメリカにおいて、福島第一と同じゼネラル・エレクトリック社(GE)製の3つの原発で技術者として働いた経験を持つ。

 1979年のスリーマイル島原発事故に関する通称ケメニー委員会の最終報告書では
、「機器の欠陥が事故の発端ではあるが、人為的な操作ミスが決定的要因となった」と述べられている作業員が非常用冷却系統を誤操作により停止してしまったため、深刻な事態に進展した。もし作業員(または監督者)が事故の初期段階で非常用冷却系統を作動させていれば、あれほど重大な事故にはならなかったと同委員会は見ている。

 一方、チェルノブイリでは動作試験が行われていた。「計画自体に不備があり、実施時にも複数の規則違反があった」とウィルムシャースト氏は言う。国際連合(UN)によると、予期しない運転出力の急上昇により蒸気爆発を起こし、原子炉の蓋が破損。その結果、溶融した燃料と蒸気が反応してさらに激しい爆発が起こり、炉心も溶融、建屋もろとも爆発炎上したという。

◆問題の究明

 スリーマイルとチェルノブイリ以降の数十年で、何が原子炉内で起こっているのか、原子力発電に関する情報が公開されるようになった。

 スリーマイル事故当時に米原子力規制委員会(NRC)の委員だったピーター・ブラッドフォード氏は今週、「スリーマイルでは、事故3日目までに公開した情報のほとんどが不正確だった。燃料溶融の状況や1日目に炉内で発生した水素爆発の事実すら、何年もの間公表されず、情報がまったく闇に葬られていたのだ」と語った。

前述のケメニー報告書では、警報システムの不備を問題に挙げている。スリーマイル事故の最初の数分間、100以上の警報が鳴り響いたが、重要な信号を選択して通知するシステムは確立されていなかった。「状況が急速に変化する事故現場は混乱の極みに陥る。問題は、その状況下における人間と機械との相互作用に注意がほとんど払われていなかったことにある」。

 一方、ブラッドフォード氏は次のように指摘する。
「コンピューター化と情報伝達の向上により、少なくとも理論的には、日本の当局者は事故の状況をはるかに詳しく把握できたはずだ。だが、スリーマイルにはない地震と津波が相次ぎ、パニックに陥ったことは間違いないだろう」

Josie Garthwaite for National Geographic News

http://rd.yahoo.co.jp/media/news/zasshi/a/cp/*http://zasshi.news.yahoo.co.jp/list/?m=natiogeo



東電「貞観地震」の解析軽視: 毎日新聞


◇専門家「貞観の再来」

 多くの専門家は、東日本大震災を「貞観地震の再来」(869年に宮城県沖で発生したマグニチュード8以上とみられる「貞観(じょうがん)地震」) とみている。同研究所などは05年以降、貞観地震の津波による堆積(たいせき)物を調査。同原発の約7キロ北の福島県浪江町で現在の海岸線から約1.5キロの浸水の痕跡があったほか、過去450〜800年程度の間隔で同規模の津波が起きた可能性が浮かんだ。

 東電によると、現地で測定された地震動はほぼ想定内で、地震によるトラブルは少なかった。一方、非常用電源の喪失などの津波被害で、原子炉が冷却できなくなった。

 ◇「『想定外』は言い訳」

 東電の武藤栄副社長は25日の会見で「連動地震による津波は想定していなかった」「(貞観地震に対する見解が)定まっていなかった」と釈明。東電の対応に、岡村さんは「原発であれば、どんなリスクも考慮すべきだ。あれだけ指摘したのに、新たな調査結果は出てこなかった。『想定外』とするのは言い訳に過ぎない」と話す。【須田桃子、藤野基文】


東日本大震災の発生原因
津波発生の原因 貞観地震の震源域
平成23年3月11日 貞観地震(869年)
ベント開放できなければ重大な放射線被爆

福島原子力発電所の事故原因
天災なのか人災なのか7点で検証:産経新聞(23.4.9)

1)電源喪失 安全とコストを天秤


東日本大震災から1カ月がたとうとする今も、「安全」どころか「安定」すら取り戻せない東京電力福島第1原子力発電所。津波による電源喪失、冷却機能の停止、燃料溶融、水素爆発…。次々に襲う「想定外」の事態に対処できず、判断ミスも重なり、危機が連鎖した。なぜ危機を想定できなかったのか。どこかで連鎖を食い止められなかったのか。「天災」なのか、それとも「人災」なのか。7つの場面を検証した。

 「最大規模の津波を考慮してきた。想定を大きく上回るものだった」

 東電の原子力担当の武藤栄副社長は、3月25日の会見で弁明に追われた。想定した津波は最大5・7メートル。実際の津波は約14メートルに達し、海面から5・5メートルの堤防をのみ込み、同約10メートルの敷地に押し寄せ、海側の発電用タービン建屋に侵入し、地下にある非常用ディーゼル発電機が冠水。1〜3号機ですべての電源が失われた。

 東電幹部は「津波の敷地への上陸は想定していなかった」と悔やむが、予見する機会はあった。

平成21年6月に同原発の安全性について議論された経済産業省の審議会。委員の岡村行信産業技術総合研究所活断層・地震研究センター長は「約1100年前の貞観地震では内陸3〜4キロまで津波が押し寄せた」との最新の研究結果を受け、対策の必要性を強く訴えた。

 だが、東電は「学術的な見解がまとまっていない」と応じなかった。岡村氏は「精度の高い推定が無理でも備えるべきだ」と食い下がったが、審議会も東電を支持した。

 「過剰な安全性基準はコスト高につながり、結局、利用者の電気料金に跳ね返ってくる」震災前に東電幹部がよく口にした言葉だ。

 国の原子力安全委員会の設計指針も、「電源を喪失した場合、復旧を急げばいいという思想に基づいており、過大な防護への投資を求めてこなかった」(関係者)。

 安全とコストを天秤(てんびん)にかけた結果、危機の連鎖が幕を開けた。


(2)炉心溶融 「可能性ゼロ」現実に

 電源喪失により、1〜3号機では、安定的に原子炉に水を注入できなくなった。燃料棒内部の放射性物質(放射能)が放出する「崩壊熱」で水が蒸発し、水面上に露出。熱に強いジルコニウム合金製の「被覆管」が溶ける1200度以上に達し、日本原発事故史上最悪の「炉心溶融」が始まった。

 「小さい確率の事態が全部実現すれば、炉心溶融につながることは論理的には考え得る」。昨年5月の衆院経済産業委員会での経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長の答弁だ。

 「多重防護の考え方で設計されており、安全性は確保されている」とも語り、可能性はほぼゼロに近いと否定してみせた炉心溶融は、1年もたたずに現実となった。

 原発は「5重の壁」を安全性の大前提としている。燃料のウランを陶器のように焼き固めたペレットに加工し、被覆管で覆い、圧力容器に納め、格納容器で守り、建屋が囲む。

 原発安全3原則のうち「止める」は機能したが、電源喪失により「冷やす」機能が失われたことで、「閉じ込める」機能もすべて破られ、放射能汚染が広がった。

 原子力安全委員会は平成4年5月に電源喪失などの「シビアアクシデント」に対応できる備えを政府や電力会社に要請した。だが、「数時間後には復旧できるという考え方に基づく設計」(保安院)が見直されることはなかった。

 「電源喪失で何が起きるかを想定すれば、とるべき対策があったはずだ」。宮健三東京大名誉教授は“想定外”は言い訳にならないと断じた。


3)ベント作業 10時間ロスで致命傷

 原子炉内の水が失われ、炉心溶融が進む一方、蒸気で内部の圧力が高まり、原子炉圧力容器や格納容器が、損傷する恐れが高まった。1号機の格納容器内では一時、設計想定の5気圧の倍近い9・4気圧を計測した。

 圧力を下げるには、原子炉内部の放射性物質を含む蒸気を外部に逃す「ベント(排気)」と呼ばれる措置が必要になる。しかし、その作業は、大きく遅れた。

 「半径3キロ以内の避難や3〜10キロの屋内退避を実施しているので住民の安全は保たれる」。海江田万里経済産業相がベントを表明したのは、12日午前3時05分。しかし、東電が作業に入れたのは、午前10時17分。放出が行われたのは午後2時半で、表明から10時間以上もたっていた。

 遅れの最大の理由は、12日朝の菅直人首相の視察ではなく、電源喪失だった。東電は手作業によるベント開放に手間取ったのだ。この間に炉心溶融が進み、圧力や高熱で圧力容器や格納容器が損傷し、「閉じ込め」機能が失われた可能性がある。

 実際、2号機では14日に圧力上昇を受けベントで蒸気を放出したが、海水注入の失敗も重なり、2度にわたって燃料棒が全面露出。15日早朝に爆発が起きた。直後に格納容器につながる圧力抑制室の圧力が急低下。損傷し亀裂や穴が開き、そこから特に濃度の高い汚染水が漏出しているとみられている。

 「炉心溶融後にベントを行えば、放射性物質の漏出が増える。もっと早い段階で行うのが定石だ」。大阪大の宮崎慶次名誉教授は、着手も含めた対応の遅れを指摘した。

4)海水注入 「廃炉」回避 決断鈍る?

 東電がベント作業にまごつく間に、1号機の圧力容器内の水位は低下を続けた。12日午前9時半までに燃料棒の上部55センチが露出し、午前11時20分に90センチ、午後0時35分には170センチに達した。

 電源がなくても原子炉の余熱でつくった蒸気を利用して原子炉に注水する非常用冷却システムを使い、6千リットルの真水を注入できていたため、より多くの量を確保できる海水注入には踏み切らなかった。

 しかし、午後2時12分、施設内で放射性物質のセシウムを検出。本来は燃料棒に閉じ込められ、「核実験か原発事故の後ぐらいしか見つからない物質」(保安院)の漏出で、炉心溶融が確実となる。午後3時36分には1号機で水素爆発が発生。その30分後に海水注入を発表し、午後8時20分に実行に移した。

 海水を注入すると、塩などの不純物が内部に付着して使えなくなり、「廃炉」の可能性が高まる。原発は1基3千億円規模に上る建設費に加え、地元同意などで莫大(ばくだい)なコストがかかる。だが、建設すれば、「減価償却が進むにつれ、安定的に利益を生み出してくれる」(業界関係者)。

 武藤副社長は3月21日の会見で、「淡水の確保が十分でなくなったときは、比較的早い段階で海水を入れることを念頭に入れてきた」と、注入の躊躇(ちゅうちょ)を否定する。

 だが、内藤正則エネルギー総合工学研究所部長は今も疑念が拭えない。

 「海水を入れたら何千億円も損をするという発想があったのではないか。経営のことを考えて、元通りにしようという発想では非常事態には対応できない」

5)燃料プール 炉を優先、放置続ける

 15日午前6時、4号機で爆発音とともに火の手があがり、建屋の壁が崩れた。4号機は震災当時、定期点検のため停止中で、原子炉内に燃料棒もなかった。安全と思われていた4号機の爆発は、「核燃料貯蔵プール」の存在をクローズアップさせた。

 「事故発生の初期段階から、米国から燃料プールは大丈夫なのかとの指摘があり、現場にもそう連絡していた」。原子力委員会の鈴木達治郎委員長代理は、こう明かす。

 プールには高熱を持つ使用済み核燃料が大量にある。その数は同原発全体で1万本超(1755トン)。防護壁は放射線を遮る水とコンクリートの建屋しかない。4号機には昨年11月の検査で原子炉から出したばかりの特に温度が高い燃料があることも、東電は分かっていた。

 だが、「水があるうちは大丈夫」と、1〜3号機の原子炉の冷却を優先し、何ら手を打たなかった。

 4号機では、燃料の熱でプールの水が蒸発して水面から露出、水素が発生し爆発したとみられている。燃料が一部溶融し、放射性物質が外部に直接漏出したとみる専門家もおり、原子炉の冷却よりもプールへの放水が、「今は最優先」(保安院)と、位置づけが逆転する。放水には自衛隊ヘリや消防車、東京消防庁ハイパーレスキュー隊の特殊車両などを総動員。放水中は、外部電源の復旧作業が中断された。

 「事故発生直後から気をつけていれば、もっと早く収束できたはずだ」。鈴木氏は、東電のプール放置が復旧を大きく遅らせたと指摘した。

(6)汚染水 3人被曝し存在判明

 「見たくもないような数字だ」。保安院の西山英彦審議官は3月27日の会見後に、2号機タービン建屋地下にたまった汚染水が放つ放射線量に顔をしかめた。

 線量計の針はかざした瞬間に最大値の1時間当たり1千ミリシーベルトを振り切った。今回の事故に限り引き上げられた緊急時作業員の年間被曝(ひばく)線量限度の250ミリシーベルト(通常は100ミリシーベルト)の4倍。放射能濃度は、通常運転時の原子炉内の水の約10万倍に達した。

 24日に足が水につかる状態で作業をしていた3人が被曝し、初めて汚染水の存在が判明した。汚染水の量は1〜3号機だけで推計6万トン。事故発生当時、失われたことで危機を招いた水が今は復旧の最大の障害となっている。

 汚染水の水源は、「原子炉に注入を続けている冷却水」(東電)だ。圧力容器や格納容器の損傷で漏出。「トレンチ」と呼ばれる建屋外の配管トンネルにもたまり、2号機では海に直接流出した。

 貯水場所を確保するための「玉突き排水」の結果、低濃度の汚染水を海に放出する前代未聞の事態に追い込まれる“泥縄”で、回収のめどはたっていない。

 タービン建屋地下には、ポンプや配電盤など冷却機能の復旧に欠かせない設備があるが、「作業員も容易には近づけない」(東電)。

 「原発事故で漏水の有無をチェックするのは基本。2週間もたってから汚染水の存在が明らかになったことは理解できない。早く気づいていれば、早く手を打てた」。宇根崎博信・京都大原子炉実験所教授は、汚染水を予見できなかったことを問題視している。

(7)冷却装置 既存設備復旧に固執

 東電が原子炉を100度未満の「冷温停止」状態にするため、全力で復旧を目指しているのが、「残留熱除去システム」だ。注水だけでは、水が蒸発してしまい冷却できない。水を循環させ、外部から海水との熱交換で水を冷やす同システムが欠かせない。蒸気で圧力が上昇し原子炉が危険な状態になったり、漏出によって汚染水が増え続けるといった「悪循環」を断ち切る切り札でもある。

 だが、重要設備のあるタービン建屋地下の高濃度汚染水の存在で、復旧作業は事実上中断したままだ。汚染水を除去しないと、故障や損傷の有無も確かめられない。

 「原子力技術者は融通がきかず、既存設備に固執しすぎる。広く知恵を借りるべきだ」。復旧作業にかかわるゼネコンの幹部は、こう苦言を呈する。

 そもそも、頑丈な圧力容器や格納容器が損傷しており、通電しても同システムが動く保証はない。

 九州大の工藤和彦特任教授は「既存設備の復旧を前提として排水にこだわっていると、いつまでもイタチごっこが終わらない」と指摘し、外部に新たに冷却システムを構築すべきだと提案する。

 政府と東電でつくる事故対策統合本部もようやく外部構築の検討に着手したが、具体的なプランは描けていない。既存設備にこだわった結果、貴重な時間が失われた。復旧が長期化すれば、それだけ放射能漏れが続く。

 「東電や政府には物事の先を見通す勘をもった人間がいないのではないか」

 大阪大学の宮崎慶次名誉教授は、こう総括した。

 



炉心、3時間半で大半溶融…米専門家

福島第1原発:1号機炉心、3時間半で大半溶融…米専門家

 東京電力福島第1原発が冷却機能を失ってから3時間半後には大半の燃料が溶融したとするシミュレーション結果を、3月下旬に米国の専門家が報告書にまとめていたことが分かった。東電は事故から2カ月以上たった今月15日まで、1号機のメルトダウン(炉心溶融)に否定的だった。日本の専門家からは「東電も同様の解析が可能だったはず」と批判の声が上がっている。

 シミュレーションには、米アイダホ国立研究所が開発した原発の過酷事故(シビアアクシデント)の解析ソフトが使われた。開発者のクリス・アリソン博士が3月下旬、福島第1原発事故への対応を協議していた国際原子力機関(IAEA)に報告書を提出した。

 毎日新聞が入手した報告書によると、福島第1の1〜3号機とほぼ同規模のメキシコの軽水炉「ラグナベルデ原発」の基礎データを使用。原子炉を冷やす緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動しなくなり、原子炉圧力容器への水の注入が止まると、約50分後に炉心溶融が始まった。約1時間20分後に制御棒や中性子の計測用の管などが溶け始め、溶けた燃料が圧力容器の底に落下。約3時間20分後、大半の燃料が底にたまった。約4時間20分後には、底の温度が内張りのステンレス鋼の融点とほぼ同じ1642度に達し、圧力容器を損傷させた可能性が言及されている。

 東電は、1号機の原子炉格納容器を水で満たす冠水(水棺)方式による冷却を目指していたが、メルトダウンの判明で断念した。過酷事故の解析に詳しい財団法人・エネルギー総合工学研究所(東京都港区)の内藤正則部長(原子力工学)は「東電も早期の段階で同様の解析を実施し、メルトダウンが推定できていたはずだ。冠水方式と並行して別の冷却方法の準備を進めるべきだった」と話している。

−−−毎日新聞(23.5.24)




福島原子力発電所の事故原因
原爆先生の特別授業   特定非営利活動法人ヒロシマの九日間

直接の原因
 直接の原因は地震による停電がきっかけです。この停電によって原子炉圧力容器内に冷却水を送るポンプが作動しなくなり、ディーゼルエンジンによる非常用電源に切り替わりました。しかし、なぜか1号機だけのディーゼルエンジンが作動しなくなり、冷却水が全く送れなくなりました。なぜ1号機だけのディーゼルエンジンが作動しなかったのかは不明です。これが想定外となって炉心を冷やせなくなり、原子炉圧力容器内の水量が蒸発によってどんどん減少しました。
地震発生時に制御棒が自動的に挿入されたため、核分裂の連鎖反応は継続して連鎖反応が生じる「臨界」から核分裂が連鎖しない「臨界未満」となり、核分裂が終焉して、いわゆる原子炉の緊急停止状態となりました。しかし燃料棒は、核分裂が終焉した後も、それまでに核分裂を起こした大きなエネルギーを持つ分裂片の崩壊熱があり、超高熱状態が長時間継続していますこの燃料棒を冷やす冷却水が不足したため炉心の熱が下降しなくなりました。

原子炉冷却システム

圧力を下げるために水蒸気放出・・・放射性物質が漏れる
 冷却水が不足したため、原子炉格納容器内の水蒸気圧力が異常に高くなり、水蒸気爆発の可能性が生じてきました。このため、原子炉格納容器に溜まった高圧水蒸気を外部に放出する処置を講じました。(ベント・・・ガス抜き)これによって圧力は低下しましたが、放出した水蒸気に含まれていた放射性物質が外部に漏れました。

水素爆発
 冷却水量が急激に減少すると、普段は冷却水に完全に浸っているはずである燃料棒が露出され、燃料棒自身が発生させる高熱で融解しはじめました。この燃料棒を覆っている被覆管にはジルコニウムという物質が使用されていますが、融解によってジルコニウムが液体となり、これが少なくなった冷却水に落ちて科学反応をおこして大量の水素を発生させました。また、水蒸気が高熱によって水素と酸素に分解され、それら水素が原子炉圧力容器内から何らかの原因で漏れ、さらには原子炉格納容器からも漏れ(原因はわかりません)、軽い水素は上屋の上部に溜まり、空気中の酸素と化合して水素爆発を起こしたのが上屋の爆発です。この爆発はテレビで再三にわたり放映されましたので大きな衝撃を与えました。
政府は、この爆発によって原子炉に影響を与えることはなかった、と発表しています。





東電社長:想定外の津波が非常用電源にかかり機能しなくなったため

東京電力の清水正孝社長は3月13日夜、東北地方太平洋沖地震発生後に初めて記者会見を開き、福島第一原子力発電所1号機が被災した原因を「地震による揺れではなく、想定外の津波が非常用電源にかかり機能しなくなったため」と説明した。


東電は「最悪想定せず」対策不十分 米紙

2011.4.1 08:14

 31日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、東京電力が福島第1原発で起き得る事故について「最悪のシナリオ」を想定せず、災害対応計画はあまりにも不十分だったと報じた。同原発の緊急時用の装備は担架1台、衛星電話1台など限られたものだったという。また東電の清水正孝社長が入院したことを踏まえ、経営陣の指揮統率能力を疑問視した。(ワシントン 共同)




海外の反応: 問題を指摘

当初は日本支援を前面に打ち出していた各国政府当局者の反応も変わってきた。特に放射性物質への危機感が強い韓国、ロシア、中国など近隣諸国は敏感だ

 韓国の金滉植首相は「日本が無能」と発言し、朴錫煥外交通商第1次官は福島第1原発からの海への汚染水排出について、必要に応じて現場で同国が調査を行えるよう日本に求める考えを表明。

 中国共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報は社説で、日本が中韓露などとの相談なく汚染水排出を決めたとして「情報公開の透明性に欠けるのは明らかだ」と非難した。

 米紙ワシントン・ポストは、当面の緊急対応が収束した後、日本に問われるのは「古くからあるガバナンス(統治)の問題だ」と指摘。復興に向けた信頼性の高い長期計画の立案はもちろん、迅速な意思決定や、日本の政官財界に根強い官僚的な体質の打破が必要だと論じている
−−−
共同




津波による被害(想定外と説明があるが)−−−なぜ福島第2原発、女川原発は事故を避けられたのか?

第一原発津波で被災された箇所
津波による原発施設の被害:タービン建屋、集中廃棄物処理施設に海水侵入(朝日新聞)
第一と第二の津波被害の比較
第2原発は電源装置、非常用でイーゼル発電装置が安全な場所にあり津波の被害を受けなかった。
第2原発は、海水ポンプが建屋の中にあり被害を免れたポンプがあった。


なぜ福島第2原発、女川原発は事故を避けられたのか? 施設の海抜高さの差?

何故女側原発は事故を防げたのか?

福島第一 福島第二 女川原発
施設の海抜 1.9 0 9.1
津波の高さ 13.2 14 14
いずれも想定値を上回り、潮防提より巨大な津波に襲われた。

 全国の原子力発電所が、東日本巨大地震で発生した10メートル級の津波を想定しておらず、想定を超えた津波に襲われると福島第一原子力発電所と同様の電源喪失に陥る恐れのあることが、読売新聞社の調査でわかった。

 経済産業省は福島での事故を受けて、電力各社に対策の強化を求めるが、各社とも対応に追われている。

 大地震などの際、運転中の原子炉を安全に停止するには、炉を冷却する装置が働く必要がある。各原発は、通常の外部電源が止まった時のために非常用電源を備えるが、福島第一原発では非常用ディーゼル発電機が津波で浸水し故障した。

 読売新聞社が、全国の商業用原発54基について調べたところ、津波の想定は最高でも北海道電力泊原発(泊村)の9・8メートルで、最も低い関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)は0・74メートルだった。

 各社は、非常用電源を置く敷地が津波の想定より高いことから「安全」と判断している。

 しかし、今回の津波では、福島第一原発が想定を上回る14メートルの津波に襲われたとみられるほか、日本原子力発電東海第二発電所(茨城県東海村)と東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)も、非常用の発電機を海水で冷やすポンプや熱交換機が水没で故障し、一部が使用不能になった。
---読売新聞



他の原発が、事故を切り抜けられたのは、海水ポンプと非常電源が利用できたからか?


福島第1原発:女川 紙一重の無事


東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の事故は、原発の津波対策の手薄さを浮き彫りにした。一方、同じ太平洋側にある福島第2原発(同県楢葉町、富岡町)や東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)、日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)は想定に近いか上回る津波にさらされながら、致命的な惨事を免れた。明暗を分けた要因を探った

◇津波史を独自調査

 東電が福島第1原発で想定した津波の高さは5.7メートル。だが、平安時代の貞観(じょうがん)地震(869年)では、8メートル以上の津波が現在の敷地に押し寄せた可能性があることが産業技術総合研究所の昨年の分析で判明した。

 研究チームは東北地方太平洋岸で貞観津波による堆積(たいせき)物を調べ、原発に近い福島県浪江町では現在の海岸線から1.5キロ内陸まで到達していたことを突き止めた。この規模の津波を起こすには、南北200キロの断層がずれたと考えられ、コンピューターによる試算で第1原発付近の津波高を見積もった。

 産総研の岡村行信・活断層・地震研究センター長は「8メートルは最小限の数字だ。原発の津波対策に適用する場合には、さらに高い波の想定が必要になる」と話す。結果的に貞観津波を過小評価していたことになる東電は「過去の発生データを踏まえて最大限の設計をしてきたつもりだが、今回のことを真摯(しんし)に受け止め、原因について十分に評価・検討していきたい」としている。

 貞観地震の研究はこの数年で急速に進んだ。古文書から仙台平野に巨大津波が押し寄せ、大きな被害を出したことは知られていたが、震源が宮城県沖から福島県沖で広範囲に及ぶ可能性があることが分かったのは昨年だ。こうした研究を受け、東電も貞観地震の再評価を前提に、約1年前に東北大の研究者に接触するなど調査に動き出した直後だった。

 一方、東北電は貞観地震の津波による仙台平野の地層内堆積物の分布を独自に調査。貞観津波とともに、明治三陸津波(1896年)、昭和三陸津波(1933年)などの文献と堆積物を調査した結果、慶長津波(1611年)が女川原発周辺の過去最大級の津波だったと判断。敷地での津波の高さを最大9.1メートルと想定していた。

 しかし、東日本大震災の津波はこの想定さえも超え、高さ13メートルだったと推定される。敷地は海面から14.8メートルにあったが、2号機では、原子炉建屋1階に設置されていた非常用電源3系統のうち1系統が津波で機能を失った。残る2系統が維持できたことなどで辛くも事故を免れた。

 東北電は「敷地の高さに余裕を持たせたため、上から津波をかぶることはなかった」と強調する。しかし、同原発がある牡鹿半島は、地震の影響で1メートル地盤沈下するなど大きな地殻変動が生じており、対策の根本的見直しは必至だ。

 東海第2原発は最高5.7メートルの想定に対し、5.4メートルの津波が到達。非常用発電機を冷やすためのポンプ3台のうち1台が使用不能になり、100度未満の冷温停止状態に持ち込めたのは4日後の3月15日だった。

 福島第2原発は第1原発と同規模の津波を受け敷地が浸水したが、非常用発電機が気密性の高い原子炉建屋に設置されているなどの新しい設計が幸いした。

 ◇「揺れ」ばかり考慮の耐震

 原発の津波対策が遅れた背景を、吉田正・東京都市大教授(原子炉工学)は「耐震安全性を考慮する際、地震の揺ればかりに目が向いていた」と指摘する。さらに、津波被害として、引き波により冷却用の海水が引き込めなくなることが想定されていたものの、今回のように建屋が浸水して全電源が失われる事態は考慮されていなかった。

 06年の耐震安全設計指針の改定により、国が各電力会社に原発の耐震安全性の再チェックを求めたが、09年の中間報告段階では津波は「地震随伴事象」として先送りされた。

 04年12月のスマトラ沖大地震では、インド洋沿岸のマドラス原発に津波が押し寄せた。原子炉は緊急停止し、津波も敷地の高さを上回らなかったが、冷却水の取水トンネルから海水が入り、ポンプ建屋が浸水する被害に見舞われた。このケースを機に世界の原子力関係者の間で、津波の影響に注目が高まったというが、国内で具体的な対策には結びついていなかった。

 国内の原発では津波が大きな要因となった福島第1原発事故を受け、ようやく(1)電源車や発電機など大容量の非常用電源(2)冷却水をくみ上げる海水ポンプの予備品確保(3)大津波を防ぐ防潮堤の設置−−などの対策に取り組み始めた。しかし、経済産業省原子力安全・保安院によると、整備し終えるには半年から3年程度かかるとみられる。

 入倉孝次郎・京都大名誉教授(強震動地震学)は「電力会社も国も(地震や津波に関する)最新の知見に基づき、敏感に問題を吸い上げる努力が足りなかったと言える。福島第1原発以外の全国の他の原発についても、従来の想定以上の地震・津波が起きた場合の影響、多重防護システムが働くかどうかの検証を進めるべきだ」と話す。

◇貞観地震

 869年、三陸沖を震源に広範囲に津波被害をもたらした地震。マグニチュード(M)8.5前後と推定されている。多くの家屋が倒壊し、津波が現在の宮城県多賀城市一帯を襲い約1000人が水死したとの記述が古文書に残っている。宮城県石巻平野から福島県北部にかけて、当時の海岸線から数キロ内陸まで浸水した。



4月7日余震による各原発の受けた被害状況と対策

地震後の東北の原発の状況
地震の影響を受けた原発の状況
問題は@外部電源の喪失、電源の系統数 A海水ポンプの稼動状況
かろうじて、電源を維持できたが、非常に高いリスクがあることが判明した。

なぜ福島第一原発は事故の復習をせず同じに様に、非常電源が1時間も使えなかったのか?


外部からの電源が途絶える場合の対処

電源が途絶えた場合の対処方法
バッテリー、非常用デイーゼル、電源者等が代替


疑問点2.:
何故 原因は冷却水の停止という基本的な問題がどうして即解決できなかったのか? 
何故 冷却水を送るポンプと電源に問題があったとすれば、何故こうした代替品を用意出来るものを常に用意しなかったのか?
 何故代替電力を用意してなかったのか? 災害を甘く見てたのではないか?

 原子炉の耐震性はそれなりに考慮されていたことが証明されたが、津波に対しての警告は無視され、全く不十分な対策しか取られていなかったことが明らかになった。

 さらに、発電所が津波を被った後、ECCS(緊急炉心冷却装置)が働かないという最大級の緊急事態に陥ったにもかかわらず、東京電力の対応は後手後手に回った。

 この事故は全くの「人災」といえるだろう。関係者は「想定外」というが、「想定を超えた」のでなく、「想定しなかった」のである。

 だが、「天災か人災か」という二分法に基づいて「人災である」と結論するだけでは、あまりに抽象的だ。

私は、今回の事故の本質を「官僚災」と呼びたい。

 この言葉によって、原子力利用をエネルギー政策として管理する立場にある政府の責任は相当に重い、ということのみを言いたいのではない。

 ここでいう「官僚制」とは、政府や地方自治体の役所等にのみ存在するのではなく、近代的な営利企業の組織原理でもある。言いかえれば、それは近代社会を構成してきた最も主要なシステムである。

 近代的官僚制は整然たる指揮系統(権限の明確化)、規則に基づいた合理的運営、専門性といった特徴を持つ。

 近代国家や大企業といった巨大組織の創出と運営を可能にしたこのシステムは、この非常事態において、その欠点を曝(さら)け出している。

ーーー白井聡

 しらい・さとし 昭和52年、東京都生まれ。多摩美術大学・高崎経済大学等非常勤講師。政治学・政治哲学専攻。博士(社会学)。





日本の原発の大半は、安全対策に難点 (長期電源喪失想定など)

朝日新聞が全国の10電力会社などに安全対策に関する調査を実施したところ、大半が事故前、長期間の電源喪失など第一原発レベルの事故に対応する態勢をとっていなかったことが分かった。第一原発で被害を拡大させた疑いがある安全設計上の問題を同様に抱える原発が多数あったことも判明。各電力では、津波対策などに乗り出している。

 調査対象は、国内の17商業用原発で54基の原子炉を運転する計10電力と、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)を運転する日本原子力研究開発機構。福島第一原発事故前の(1)炉心溶融などの過酷事故の想定や訓練(2)全電源喪失時のバックアップ態勢(3)非常用ディーゼル発電機や海水ポンプの設置状態――について調べた。


日本の原発状況
国内原発の大半、安全対策に難点 長期電源喪失想定など 地震前の日本の原発

 
(1)では、10電力のうち東京、東北、中部各電力など7社と同機構が事故の際、非常用バッテリーが動く5〜8時間で外部電源などが復旧すると想定。第一原発事故で起きたような数日間にわたる長期全電源喪失への対策や訓練はなかった。

 (2)では、福島第一原発事故の前は、関西電力を除く9社と同機構は、原発内や付近に、外部電源などの喪失に備えた電源車を配備していなかった。

また、(3)では、福島第一原発で、非常用ディーゼル発電機が水密性の高い原子炉建屋内に設置されていなかったことや、海水ポンプが建屋内に収容されていなかったことが、津波を受けた後の電源喪失事故に至った主要な原因ではないかと東電内で指摘されている。これらの点について、四国電力伊方原発(愛媛県)や九州電力川内原発(鹿児島県)など12カ所の計31基で、ディーゼル発電機が原子炉建屋ではなく、タービン建屋内などに設置されていた。海水ポンプも、関西電力美浜原発(福井県)や九州電力玄海原発(佐賀県)など11カ所の計34基で、屋外にほぼむき出しの状態で置かれていた。

 各電力は事故後、(1)については長期間の電源喪失を想定した緊急訓練を実施。(2)の電源車も急きょ配備を進めている。(3)については、「想定した津波より高い位置にあり、安全性に問題はない」(関西電力)との見方もあるが、非常用ディーゼル発電機が置かれた建屋の扉を水密性の高いものに取りかえたり、海水ポンプの周囲に防護壁を設置するなどの対策が進められている。(中村信義、舟橋宏太)
−−−
朝日新聞



今頃になって外部電源の確保を指示(今までどうしてたか大いに疑問)

経済産業省原子力安全・保安院は15日夜、東京電力など原子力発電所を持つ13事業者に、地震発生後も火力発電所などからの外部電源を喪失しないよう、複数の送電回線すべてに各原子炉をつなぐなどの対策を指示した。

 来月16日をメドに状況を報告させる。

 東日本大震災や4月7日の宮城県沖地震では、東電福島第一原発などが外部電源を喪失したが、東北電力女川原発では全原子炉3基を5本の送電回線にそれぞれ接続していたため、外部電源を失わずに済んだ。

 しかし、電力会社によっては複数の送電線に全原子炉を接続していない原発もあるといい、保安院は、電力事業者に電力系統の接続見直しを指示した。このほか、〈1〉送電鉄塔の強化〈2〉電気設備の浸水防止――も求めた。
−−−読売新聞



ようやく3度目の正直で腰を上げるか?(遅すぎた改良工事)

東京電力は、福島第一原子力発電所の原子炉冷却作業が余震や津波で停止しないよう、複数の送電線を切り替え可能にする改良工事に着手した。

 非常用ディーゼル発電機を高台に移動し、電源車の配備も準備、三段構えの電源強化策を進めている。

 福島第一原発では、東北電力からの送電線1系統を使い、1〜3号機の原子炉に冷却水を注入するポンプを動かしている。ところが11日の余震で停電が発生、津波警報で作業員が一時退避したため、ポンプの電源を非常用発電機に切り替えられず、注水が約50分間にわたり中断した。

 一方、同原発では、東電の別の発電所から電力を供給する送電線2系統が復旧、それぞれ3、4号機と5、6号機の中央制御室に電力を供給しており、こちらは余震の際も停電しなかった。

 そこで東電は、これら3系統を相互乗り入れできるよう接続、緊急時には直ちに切り替えを可能にする工事を開始した。1系統が生きていれば、外部電力の供給が続けられるようにする。3月11日の本震で倒壊した鉄塔もあったため、鉄塔や送電線の補強も進める。

−−−  読売新聞


水素爆発は、避けられたのではないか? 少なくとも1号機と4号機

さりげなく東電は今になって、水素爆発の原因は、排気管にあると発表しているが、どうしてこれ程発表に時間がかかったのか、理解し難い。 人為的ミスで被害が拡大したことが判明した訳だが、マスコミも東電も簡単な説明で済ませているのは、予期できない災害を蒙った人を全く愚弄しているのではないだろうか。 IAEAは、6月に提出した報告書で水素爆発防止装置の設定の項目があるが、この設備は言われるまでもなく設置すべきものでなかったのだろうか?
放射線汚染という大災害を起こす前に防止できる技術があるとすれば、原子力業界は進んで採用する義務があるおではないだろうか



東京電力福島第一原発の事故をめぐり、3月12日に1号機の原子炉建屋を壊した水素爆発は、格納容器の損傷を防ぐ目的で行われたベント(排気)で建屋外に出したはずの水素ガスが、別の排気管を通じて建屋内に逆流したことから起きた疑いが強いことが分かった。長時間にわたる電源喪失で、逆流を防ぐ別の排気管の弁を操作できない状態だった。東電幹部は「水素爆発の事態を招いたことを考えれば、排気に関する設計に不備があったといえる」と話している

 福島第一原発では運転中だった1〜3号機が3月11日の地震で自動停止。その後に全電源が喪失し、原子炉が冷却できなくなった。1号機では12日午後3時半すぎ、3号機では14日午前11時ごろに水素爆発を起こし、原子炉建屋の上部が吹き飛んだ。1、3号機では爆発前、圧力が高まった格納容器のベントに向けた作業が実施されていた。

水素ガスの逆流による爆発

 東電の内部資料などによると、1号機には、(1)原子炉建屋内のガスをフィルターを通じて外に出すための「非常用ガス処理系(SGTS)」(2)格納容器内のガスを外に出すための「耐圧ベント配管」――という、二つの非常用排気管が備えられていた。これらの排気管は合流して一つの管となり、建屋外の排気筒につながっている構造だ。
−−−朝日新聞23.6.4



排気管の現状、共用

東京電力は15日、福島第1原発4号機で3月15日に原子炉建屋が損壊したのは、3号機から流れ込んでいた水素が爆発したのが原因との見方を明らかにした。(共同)

東電によると、3号機と4号機から排気筒につながる配管は、排気筒の手前で合流している。このため、
ベントで排出された3号機内の気体が逆流して4号機の原子炉建屋に充満し、何らかのきっかけで水素爆発が起きたとみている。
−−−毎日新聞
(23.5.15)

4号機の爆発は人為的ミス:
爆発した水素ガスは、福島第1原発の3号機側(下)から、排気管を通り、排気筒から排出されると共に、4号機(上)の建屋内に流れ込み爆発したと見られる(画像;東京電力提供)



福島原発事故に対するトップの考え

 東京電力の清水正孝社長は18日、参院予算委員会に参考人として出席し、福島第1原発事故への初動対応で、原子炉格納容器の内部圧力を下げる「ベント」作業が遅れ、事故が悪化したとの指摘に対し、「暗闇の中で作業を強いられ、通信機能も喪失して連絡が困難だった」と説明。放射能漏れを謝罪した上で「電源が喪失し、放射線量も高い厳しい状況だった。何より周辺への影響があるので、(住民が)避難(したか)をしっかり確認する時間が必要だった」と釈明した。
東電社長の弁解
−−−毎日新聞


菅首相は18日、東日本大震災に関する参院予算委員会の集中審議で、東京電力福島第一原子力発電所事故に関し、「非常用電源がダウンしたということは、予測の甘さがあり、それが一つの原因になったことは免れない。政府も十分に事前にチェックできなかったことについてはおわび申し上げたい」と述べ、事故防止対策の甘さを陳謝した。

 今後の原子力政策については、「(事故の)検証を経て、安全性を確かめることを抜きにして、これまでの計画をそのまま進めていくことにはならない」と述べ、見直しを示唆した。

 清水社長が国会で答弁したのは事故後初めて。津波対策が不十分だったとの指摘には、「14〜15メートルの津波は想定できず、そういう意味では甘かった」と認めた。
−−−読売新聞

今回の事故は電源喪失で事態が深刻化した。
班目委員長は記者会見で、津波による電源喪失に対して防護が十分でなかったと説明。「(安全対策に)穴があいていたことが分かってしまった」と語り、多重防護を原則として指針を改定するとした。

 3月11日の地震では福島第1原発の2、3、5号機で、想定した最大の揺れの強さ(基準地震動)を最大3割超えた。班目委員長は「予想を上回る地震だった」とし、耐震設計審査指針も見直し対象になるとの考えを示した。
−−−毎日新聞(5.21)




追加災害対策(津波・地震)後の評価
2〜3年内に同じ災害があるとき同じ被害に会うのだろうか?

福島第1原発の事故を受け、海江田万里経済産業相は電力各社に津波被害を想定した緊急安全対策を作るよう3月30日に指示。被災した3原発(福島第1、第2、女川)を除く14原発と2研究炉の16施設の対策について今月6日夜、「適切」と認めた上で、浜岡原発に限って「東海地震への安全性をより高めるため運転停止を求めた」と説明した。

 浜岡以外の原発の運転継続に国が事実上お墨付きを与えた格好だが、抜本的な津波対策にはほど遠い。冷却機能を失った原子炉を100度未満の安定状態(冷温停止)に戻すには、電源車や発電機など大容量の非常用電源に加えて、冷却水を海からくみ上げる海水ポンプの予備などが不可欠。だが保安院によると、すでに確保している原発はなく、完全配備には半年〜3年程度かかるとみられる。大津波を防ぐ防潮堤の建設を10原発で計画(うち2原発は検討中)しているが、これも完成までには1〜3年程度かかる見通しだ

 NPO法人「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表は「浜岡以外の原発の周辺でも想定外の地震が起こるかもしれず、抜本対策を講じている間にも津波が原発を襲う可能性は否定できない。安全を言うのであれば浜岡同様、少なくとも抜本対策完了までは運転を認めるべきではない」と指摘する。

−−−23.5.9 毎日新聞

日本の現状の原子力発電の稼働率

商用原発:36基が停止、運転は18基…浜岡全面停止で

 中部電力浜岡原発5号機(静岡県、出力138万キロワット)の停止を受け、国内の商用原発54基のうち運転を停止しているのは14日現在で3分の2の36基になった。今後、各地で電力供給が切迫する恐れがある。

 3月11日に発生した東日本大震災で、運転中だった東京電力福島第1原発1〜3号機(福島県)など11基が停止した。このほか、13カ月ごとに行われる定期点検や地震以外のトラブルで停止しているのが23基ある。現在運転しているのは18基で、その出力は1665万キロワット。54基の合計出力の34%にとどまる。

 日本原子力産業協会によると、今夏までに定期点検で東京電力柏崎刈羽原発1、7号機(新潟県)など新たに5基の稼働が止まる予定。定期点検終了後も再稼働に必要な地元の了解を得るのは難しくなっている。


−−−毎日新聞(23.5.15)


原発の世論調査

原発の世論調査

朝日新聞による6月11、12日に行われた電話での原発の世調査であh原発を将来的にやめることに賛成が63%だった


原発反対を唱える異端教授:小出助教授

研究の前線で反原発 住民支える「異端」−−京大原子炉実験所・小出助教

原発反対、小出助教授

リスク負うのは後世…犠牲少なくする責任ある

 学者の良心とは何か−−。福島第1原発事故は、すべての原子力研究者に問いを突きつけた。その一人でありながら、一貫して反原発の立場を取ってきた京都大学原子炉実験所(大阪府熊取町)の小出裕章助教(61)は今、何を思うのか。

小出さんの専門は放射線計測、原子力安全。愛媛県・伊方原発の設置許可取り消し訴訟で原告側証人となり、99年のJCO東海事業所臨界事故では土壌の放射線を測定し、別の争いでは地域のがん死者数の推計作業も行う−−放射性物質の被害を受ける住民を支える活動をしてきた。

 福島第1原発の事故後は新聞、テレビ、ラジオ、講演、あらゆる場で事態の深刻さや政府・東京電力の対応のまずさを指摘し続けている。6月に出版した「原発のウソ」(扶桑社新書)は20万部のベストセラーになった。

宮城県女川町・石巻市にまたがる女川原子力発電所設置を巡り漁師たちが「電気は仙台で使うのに、なぜ自分たちの町に原発を造るのか」と抗議していることを知った。小出さんは原発のあり方について考え抜き、一つの結論にたどりつく。「女川原発が事故を起こした場合、地元住民はそこに住み続ければ健康に害があり、健康に害がないようにすれば、その地域に住めなくなる」

 その懸念は42年後、福島県で現実となる。

5月23日の参院行政監視委員会で、参考人として国の原子力政策を批判した小出さんは、インド独立の指導者、マハトマ・ガンジーの言葉「七つの社会的罪」を挙げた。うち二つは「道徳なき商業」と「人間性なき科学」。前者を東電、後者を自らも含めたアカデミズムに当てはめた。

 「一人一人の人間が生きてきた歴史が根こそぎ壊れた。失われる土地、生活、健康を考えれば、これからも原子力が科学の進歩で何とかなるとは、私には到底言えない」小出さんは静かに言った。

「原発には都会が引き受けられないリスクがある。そのリスクを、都会の住人は社会的に弱い立場にある過疎地の人たちに押しつけている。仮に原発事故が防げても、原子力を使い続ける限り核のゴミ(放射性廃棄物)は増え続けるし、人間はそれを無毒化できない。私たちの世代は、自らの利益のために、選択権のない後世にその『毒』を押しつけているのです」

 後世への責任。それは小出さんが常に強調してやまないことだ。「原子力の場にいる私にも普通の人とは違う責任がある。そして、普通の日本人の皆さんにも責任はあると思う。推進派にだまされたかもしれない。でも、だまされた責任もあるはずです」 とすれば、やるべきことは何か。

 「原子力を進めてきたのは大人だが、そのしわ寄せを受けるのは、おそらく子どもたちです。子どもたちの犠牲を何とか少なくするために、私は自分なりに責任を果たしていきたいのです」

 この国の原発数は米仏に次ぐ54基。自ら「異端」と称する研究者は、これからの長く険しい闘いを覚悟しているようだった。
−−−毎日新聞(23.7.5)