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原発の再稼働は深い議論がないまま、再稼働を目指して進んでいる現状を考える



原発再稼働反対が60% 共同通信世論調査(26.1.26)


共同通信社が25、26両日に実施した全国電話世論調査によると、原発の再稼働に反対するとの回答は60・2%に上り、賛成の31・6%のほぼ倍だった。安倍晋三首相は原子力規制委員会の安全性確認を前提に、再稼働を進める構えだが、否定的な意見が根強い現状が鮮明となったことで難しい判断を迫られそうだ。安倍政権の経済政策「アベノミクス」で景気が良くなったと実感している人は24・5%で実感していないは73・0%だった。

 憲法解釈の見直しによる集団的自衛権の行使容認に反対すると答えたのは53・8%を占め、賛成の37・1%を上回った。(共同)
−−−東京新聞(26.1.26)






高レベル廃棄物対策の切り札 放射能減らす「核変換」本格研究へ(26.1.20)


原発の使用済み核燃料に含まれる放射性物質に中性子をぶつけて、毒性が低い物質に変える「核変換」の研究が来年度から本格的に始まる。実用化までの道のりは30年以上と長いが、高レベル放射性廃棄物を減らす切り札として期待は大きい。

                 

「現代の錬金術」

 安倍政権は原発を「重要なベース電源」と位置付け、今後も活用していく方針を打ち出している。その最大の課題は昨年3月末時点で1万7千トンに達した使用済み核燃料の処分だ。

 使用済み燃料を再処理してウランやプルトニウムを回収した後に残る高レベル放射性廃棄物は、ネプツニウム237(半減期214万年)やアメリシウム243(同7370年)など、半減期が長く毒性が高い複数の元素が含まれている。これらはガラス固化体に加工して冷却後、人体への影響が低くなるまで数万年間、地下深くに貯蔵する地層処分となるが、最終処分場はまだ決まっていない。このため量を減らす方法の開発が急務になっている。

 放射能を持つ元素の原子核は、放射線を出しながら時間とともに崩壊し、自然に別の元素に変わる。核変換はこれを人工的に加速させる技術で、原子核に中性子をぶつけて核分裂を起こさせ、半減期が短く毒性が低い物質に変えていく。いわば「現代の錬金術」だ。

もんじゅ停止契機

 この研究は当初、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が担うはずだった。核変換に必要な高速の中性子が運転時に発生するからで、長寿命の放射性元素を燃料に混ぜ、短寿命化する研究が検討されてきた。

 しかし、トラブル続きのもんじゅは運転実績がほとんどない上、機器の点検漏れなどで原子力規制委員会から無期限の運転停止を命じられている。再稼働すれば研究も進められるが、先行きは全く見えない。

 このため文部科学省の作業部会は昨年11月、原子力機構などの加速器施設「J−PARC」(茨城県東海村)に、加速器を使った核変換の実験施設を建設すべきだとする報告書をまとめた。

 総工費220億円で2015年度に着工、20年にも実験を開始する。基礎データを蓄積した後、30年ごろから実用化に向けた新施設を建設し、50年ごろから核変換を行う見通しという。

 核変換の仕組みはこうだ。長寿命の放射性元素を容器に入れて、中心部に鉛とビスマスからなる重金属の核破砕ターゲットを配置。ここに超電導加速器で光速の約90%に加速した陽子をぶつける。

 重金属から高速の中性子が飛び散るように発生し、放射性元素の原子核に衝突。核分裂が始まり、電子を放出しながら核種が変わるベータ崩壊を繰り返し、短寿命で毒性が低い物質に変わっていく。

 陽子は2年間当て続ける計画で、放射性元素は大半が短寿命化。理想的な反応が起きた部分は、放射能がない物質に変わる。

 研究を担当する同機構の大井川宏之核変換セクションリーダーは「ネプツニウム237の場合、10%未満は長寿命のまま残る可能性はあるが、多くは放射能のないルテニウム102とセシウム133に変換される」と話す。

鍵握る分別技術

 高レベル放射性廃棄物はこれまで、ひとまとめに加工してガラス固化体にされてきた。核変換を行う場合は目的の元素を取り出す分別が必要で、これが処理の効率化にもつながる。

 ルテニウムやロジウムなどの白金属は、分別により資源として再利用が可能に。ストロンチウムなどの発熱性元素を分別すれば、冷却時間や地上の保管面積、地層処分量を削減できる。この結果、高レベル廃棄物は貯蔵面積が従来の100分の1、容積が3分の1になり、貯蔵期間も約300年に短縮する。

 一方、分別は今後の技術的な課題でもある。高レベル廃棄物から目的の元素だけを抽出する実証実験はこれからで、実用化時は大規模な処理施設も求められる。また、重金属から高速の中性子を効率よく発生させるための陽子照射方法の研究も必要だ。

 大井川氏は「加速器は日本の得意分野であり、その技術を応用して課題を克服し、原子力の安全利用と廃棄物処分の効率化を目指したい」と話している。
ーーー産経新聞(26.1.20)







原発依存か、脱原発か:【基礎知識】原発のごみの捨て場所はあるのか?
(26.1.14)


◇最終処分場のある国、ない国

 原発から出るごみは、大きく分けて2つある。一つは使用済み核燃料、もう一つは廃炉によって生じる廃棄物だ。日本にとっては、目下どちらも喫緊の課題である。


高い放射線を発する核のごみはガラスとともに融解・固化される。青森県六ケ所村の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターには海外から返還されたガラス固化体が貯蔵されている=2013年1月15日、太田誠一撮影(毎日新聞社)

 発電に使ったあとの燃えかすである高レベル放射性廃棄物は、ガラス原料と一緒に高温で溶かしてステンレス容器に入れたもの(ガラス固化体)を、地下300mを超す深い場所に埋める、いわゆる「地層処分」が最適とされている。もっとも、数万年にわたって処分場の安定が維持できるかどうかは誰もわからない(いまから数万年前といえば、ネアンデルタール人がいた時代である)。そのため、廃棄物を完全に封印するか、当初の数十年から数百年間は取り出し可能な状態で保管するかは、各国によって方針が異なる。どちらにしても、この地層処分がすでに事業としておこなわれている国は、いまのところない。

 もっとも実現に近いのが、小泉元首相の「原発ゼロ」発言のきっかけになったフィンランドの核廃棄物処分場「オンカロ」である。処分地として決定済みで、2020年頃には操業を開始する予定だ。この場所の岩盤は、過去19億年、大きく動いた形跡がないという。

 これに次ぐのがスウェーデンで、現在、原発のあるフォルスマルクが処分地に選定されていて、決定待ちの状況である。決まれば2029年頃に操業開始となる。この2カ国の処分場は、バルト海を挟んでちょうど向かい合う位置にある。

 いっぽうフランスでは、スペイン国境に近いビュールに核廃棄物地下研究所があり、ここに処分場を建設して、2025年頃に操業を開始する計画が進んでいるが、地元では反対の声が強い。

 アメリカでは、ブッシュ政権の時代にネバダ州ユッカマウンテンに処分場を建設する計画が進んでいたが、地元の反対が根強く、オバマ政権になってこれを撤回した。

 そのほか、スイス、ドイツ、イギリス、カナダ、中国などでも処分場選定の動きが見られるが、具体的な候補地が決まった国は一つもない。日本も同様である。

 ■日本の最終処分場はどこか

 日本は使用済み核燃料を再処理してプルトニウムとウランを取り出し、繰り返し使用するという核燃料サイクル政策を進めようとしているが、現実には頓挫している。仮にそれが操業にこぎつけたとしても、再処理の過程で出る高レベル放射性廃棄物をどうするかはまったく未解決だ。

フランスを除くほとんどの国では、再処理をせずに使用済み燃料を高レベル廃棄物として直接処分する方針をとっている。再処理することでコストが減るわけではないことがわかったからだ。

 だが日本は、巨費を投じて始めた事業だけにやめることができずにいる。かといって、核燃料サイクルが機能しているわけではないため、使用済み燃料から取り出したまま使いようのないプルトニウムが現在も増えつづけているのである。そのうえ高レベル廃棄物最終処分場は選定すら進んでおらず決まる見込みはほとんどない。文科省所管の日本原子力研究開発機構が、北海道幌延町と岐阜県瑞浪市に設けた超深地層研究所で地層処分の研究開発を進めてはいるが、すでに地元では研究所周辺が最終処分場とされるのではないか、との懸念の声があがっている。

 中間貯蔵施設を受け入れている青森県は、「最終処分場とはしない」と国に確約させた。しかし、県民のあいだでは、それを反故にされるのではという疑念がたびたび生じている。高レベルではないが、福島県内の除染によって生じた汚染土の処理にも同様の問題がある。政府は12月14日、双葉、大熊、楢葉の3町長と佐藤雄平福島県知事に対して汚染土の中間貯蔵施設の建設受け入れを要請した。難航が予想されるのは、中間貯蔵施設がそのまま最終処分場に転じるのではないかという懸念があるからだ。

 高レベル廃棄物の最終処分場の選定は、これまで、電力会社が中心になって2000年に設立された原子力発電環境整備機構(NUMO)が候補地を公募し、自治体の応募を待つ方法に頼ってきた。地元の説得が最大の難関だからである。応募があれば立地の適性を調査することになるが、その調査段階で地元に年10億円の交付金が入ることになっていたため、いくつかの自治体で立候補をめざす動きがあった。しかし、実際に立候補したのは高知県東洋町(2007年)だけだった。それも、住民の反発は大きく、反対派の町長が当選したことによって撤回された。

福島第一原発の事故後は、自治体からの立候補はまず望めなくなった。そこで経済産業省は、2013年12月6日に公表した「エネルギー基本計画」原案の中で、NUMOが公募する方式から、国が主導して候補地を選び、地元に提示する方式に改める方針を盛り込んだ。地層や地下水の流れを分析し、安全とされる場所を全国から100カ所程度選び出し、国が調査して、その情報を地元に提供するという手順である。

 経産省はこの基本計画で、原発を「重要なベース電源」と位置づけ、核燃料サイクルの継続も明記した。経産省の諮問機関である総合エネルギー調査会は、「重要なベース電源」の前に「基盤となる」の文言を加え、さらに原発の必要性を強調した。

 ■廃炉作業は未知との闘い

 もう一つの放射性ごみは、廃炉によって発生するスクラップだ。

 原発は建設から40年で運転を終了し、廃炉にすることを原則としている。事故を起こした福島第一原発の廃炉が決まる前、日本で運転停止した原発は5基、そのうち最初に解体されたのは、日本原子力研究開発機構のJPDR炉(茨城県東海村)である。この原発は1963年、日本最初の原子力発電に成功した記念すべき試験炉で(初臨界した10月26日がのちに「原子力の日」となった)、1976年に所期の目的を達して運転終了、10年ほどをかけて解体を完了した。

 もっとも、使用済み燃料さえ取り出せば、一般の原発の解体で生じる廃棄物の9割以上が放射性廃棄物ではなく、法的には一般の廃棄物と同様の処分が可能となる。しかし、周辺住民の意識は複雑で、日本原子力研究開発機構の新型転換炉「ふげん」を廃炉にした際は、汚染されていないコンクリートを漁礁に再利用しようとしたが、風評被害を恐れる地元漁協の反対にあって断念した経緯がある。

 福島第一原発の事故が起きるまで、54基の原発が稼動していた日本では、毎年1基ぐらいずつ運転停止する原子炉が出る計算で、放射性廃棄物の安全な処理など、廃炉技術を磨きながら、海外への技術輸出を含め、これをビジネスとして成立させようとしていた。

だが、放射性の汚染水にまみれた福島第一原発の廃炉作業は、そうした経験がまったく役に立たない、未知との闘いといってよい。東京電力は11月18日、4号機の使用済み核燃料をプールから取り出す作業を開始。2011年12月から始まった廃炉工程表の第2期に入った。このあと、2021年頃から、第3期として正念場の原子炉内に残る溶けた燃料の処理にとりかかる。1?3号機は4号機よりはるかに放射線量が高いため、作業はさらに困難になる。終了までには早くて30年、遅ければ40年はかかる事業だといわれる。

 福島第一原発の廃炉を進めるにあたって、首相を本部長とする政府の原子力災害対策本部の下に「廃炉対策推進会議」や「廃炉・汚染水対策チーム」ができたが、全体を継続して監督する組織がない。経済産業省では、原子力損害賠償支援機構を改組し、東電がおこなう廃炉作業を最終段階まで監督する役割を追加する方針を立てている。改正法案が2014年の通常国会を通れば、新機構が4月に発足、名称は「原子力損害賠償廃炉支援機構」になる見通しだ。
ーーー毎日新聞(26.1.14)









【福島原発の国会事故調】「明らかに人災」 地震で損傷、否定できず  東電、規制当局を批判 (24.7.5)


東京電力福島第1原発事故で、国会が設置した事故調査委員会(黒川清委員長)は5日、「事故は自然災害ではなく、明らかに人災だった」とする報告書をまとめ、衆参両院議長に提出した。


横路衆院議長(右)に報告書を提出する国会事故調の黒川清委員長=5日午後、国会

 約640ページに上る報告書は、政府、東電の事故対策の甘さや対応の不備を厳しく問う内容で、政府の危機管理体制の抜本的見直しなど七つの提言も盛り込んだ。

 報告書は「第1原発は地震にも津波にも耐えられる保証がない脆弱(ぜいじゃく)な状態だったと推定される」と指摘。「東電や規制当局の原子力安全委員会などは地震や津波による被災の可能性、シビアアクシデント(過酷事故)への対策、住民の安全保護など当然備えておくべきことをしていなかった」と批判した。

 地震の揺れによる原発への影響に関し「1号機の安全上重要な機器の損傷の可能性は否定できない」との見方を示し、1号機の複数の運転員が配管からの冷却材の漏れを気にしていたことなどを根拠に挙げた。

 東電が事故当初、官邸側に原発からの全面撤退方針を示したとされる問題は、東電へのヒアリングの結果、全面撤退は考えていなかったと判断。清水正孝(しみず・まさたか)社長(当時)のあいまいな連絡で、官邸側が誤解したと結論付けた。

 避難指示が住民に的確に伝わらなかった点は「規制当局の防災対策への怠慢と、当時の官邸の危機管理意識の低さが、住民避難の混乱の根底にある」と分析した。

 東電の経営体質にも触れ「エネルギー政策や規制に強い影響力を行使しながらも、自らは矢面に立たず、役所に責任を転嫁する黒幕のような経営を続け、事故対応をゆがめた」とした。

 提言は@国会に規制当局を監視する常設の委員会設置A政府の危機管理体制の抜本的見直しB被災住民の生活基盤回復C事業者が規制当局に不当な圧力をかけないよう監視D規制組織の抜本的な転換E法規制の見直F国会に独立調査委員会設置―を求めている。

(共同通信)

◎根源は「なれ合い」 
 

 【解説】東京電力福島第1原発事故を「人災」と結論づけた国会事故調査委員会の報告書は、東電と規制当局の長年にわたる「なれ合い」を批判、規制当局は力量不足のため専門性や情報量で東電に劣り、両者の立場が逆転、安全監視機能が崩壊していたと指摘した。

 想定外の津波が事故につながったという表層だけではなく、根源的な原因に迫ろうとした意欲がうかがえる。

 国会事故調が問題にしたのは、東電と経済産業省原子力安全・保安院、原子力安全委員会など規制当局の関係だ。

 ともに安全への責任を負わず「意図的な先送りや不作為、自己の組織に都合の良い判断」を重ねてきたと分析。「既設炉を停止しないことを大前提に、体裁が整うような形で落としどころを探り合っていた」と原子力ムラの内情を明らかにし、特に東電は「規制を骨抜きにする試みを続けてきた」と指摘した。

 津波により電源喪失に至るリスクの認識を保安院と東電が共有しながら、保安院は東電の対策先送りを是正しなかった。過酷事故に関しても、保安院は米中枢同時テロ後に米国の状況を視察しながら、東電に対策を求めなかった。

 事故には、こうしたさまざまな背景があることを報告書は描き出した。
 国会事故調は会合を公開し、インターネットでの動画中継やソーシャルメディアで国民向けに情報発信するなど、前例のない情報公開に努めた。国民の関心が高い事故調査の在り方に一石を投じたと言える。

ーーー共同通信(平成24年7月5日)









使用済み核燃料保管、限界近づく 茂木経産相「設備拡大必要」(25.12.6)


茂木敏充経済産業相は6日の閣議後会見で、原発の使用済み核燃料について「当面、(特殊な容器で保管する)乾式貯蔵設備を整備し、貯蔵能力の拡大を考えなくてはいけない」と述べた。

 使用済み燃料は全国各地の原発の使用済み燃料プールで保管されているが、貯蔵容量の限界に近づいており、政府や電力各社は再稼働後の支障を懸念。政府は最終処分地の選定を進める方針だが難航しており、当面の対応を迫られている。

 原子力規制委員会は「乾式キャスク」と呼ばれる鋼鉄製容器に入れて空気の自然循環で冷却する乾式貯蔵を進めるよう求めていた。

 ただ乾式貯蔵は燃料を再処理しないまま保管するため、核燃料サイクル政策や高レベル放射性廃棄物の最終処分の推進に影響が出かねず、政府は同時に最終処分地の選定も急ぐ方針。
ーーー産経新聞(25.12.6)




核燃料取り出し  脱原発の必然が見える(25.11.19)


廃炉への大きな節目を迎えたと言えよう。福島第1原発4号機で、東京電力による核燃料の取り出しが始まった。
 危険を伴う作業だ。東電には、これまでのような「想定外」の言い訳は許されない。慎重の上にも慎重に、安全を第一にすべきだ。
 4号機のプールには、使用済みと未使用の核燃料計1533体がある。震災後、原子炉建屋が水素爆発で大きく損傷した。耐震補強したが、再び大地震に見舞われれば、プールが崩壊し大量の放射性物質が流出する危険がある。大きな不安の種であり、核燃料取り出しを急がなければならない。
 ようやく事故収束に向けた重要なステップにたどり着いたと言える。東電が示す廃炉工程の「第2期」に入ることになり、海外からも注目されている。
 ただ、計画にこだわる必要はない。状況の変化に応じ、安全を確かめながら進めることが肝要だ。
 クレーンを操作し、プールに沈めた容器に核燃料を装てんし、別の天井クレーンでつり上げる。1階に下ろしてトレーラーに載せ、100メートル離れた共用プール建屋に運ぶ。この最初の容器に核燃料22体を装てんする作業は19日までかかる。こうした過程が来年末まで続く長丁場だ。
 心配なのはクレーンでつり上げた容器を、誤って落としてしまうことだ。クレーンは原子炉建屋カバーの5階にあり、高さ32メートル。プール内には、コンクリートの細かながれきも残っている。
 東電は試験結果などから、核燃料が破損したり容器から露出する可能性は極めて低いと説明する。
 しかし、核燃料が露出すれば、周囲の放射線量は極めて高くなり、作業員が被ばくする。可能性が低いとして「想定外」にせず、対策を練っておく必要がある。
 最悪事態に対する備えは十分だろうか。後手に回った汚染水漏れへの対応など、東電には甘い見通しが目立つ。さらに言えば、情報を隠す体質がある。作業の進ちょく状況を逐次公表し、情報公開していかなければ、取り出し作業への不安は消えるものではない。
 1〜3号機では、原子炉格納容器に溶け落ちた核燃料の取り出しとなる。前例がなく、困難を極める。東電は廃炉完了まで30〜40年かかるとしているが、先は見通せない。スリーマイルアイランドやチェルノブイリの原発事故をみれば廃炉への道のりは遠い。
 福島原発から核燃料を取り出しても、最終処分地は決まっていない。膨大なコストとリスク、時間を考えると目もくらむ。現実を直視すれば脱原発しか道はない。

ーーー京都新聞(2013年11月19日)








小泉元首相の原発ゼロ主張「支持」60% 朝日世論調査(25.11.12)


朝日新聞社が実施した全国定例世論調査(電話)では、小泉純一郎元首相が政府や自民党に対し「原発ゼロ」を主張していることについても質問した。この主張を「支持する」は60%にのぼり、「支持しない」の25%を上回った。

 安倍内閣支持層や自民支持層でも、それぞれ58%が小泉氏の主張を「支持する」と答えた。原発を徐々に減らし、将来はなくす「脱原発」に「賛成」の人は72%で、このうち小泉氏の主張を「支持する」は75%、「支持しない」は16%だった。
−−−朝日新聞(25.11.12)






地下350m坑道を公開 北海道・幌延の深地層研(25.10.28)




高レベル放射性廃棄物を地下深くに埋設して処分する「地層処分」を研究している幌延深地層研究センター(北海道幌延町)は28日、地下約350m地点に広がる調査坑道を報道陣に公開した。9日に貫通したばかりで公開は初めて。調査坑道は長さ約700m、幅約4m、高さ約3m。3本の試験用坑道もつながっている。さらに今後、試験用坑道2本が完成すると、総延長は約760mになるという。来年度から放射性廃棄物に模した100度程度の熱源を金属容器に収めて試験用坑道内に埋め、遮水効果の高い特殊な粘土で覆った上で、中に地下水が浸透しないかを数年間かけて調べる。
−−−産経新聞(25.10.28)





縦穴と横穴(坑道)の接合部



ーーー地層研究所(25.10.28)

北海道・幌延の深地層研が調査坑道を公開 来年度から本格研究


 高レベル放射性廃棄物の地層処分方法を研究する日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センター(宗谷管内幌延町)は28日、地下350メートルの調査坑道を報道機関に公開した。9日に貫通したばかりの同坑道では、来年度から廃棄物に見立てた熱源入りの実物大容器の埋設試験を行い、本格的な処分技術の研究を始める。

 調査坑道は高さ3メートル、幅4メートルの馬てい形。「8の字」形に掘られ、長さは約700メートルある。東立て坑側は、むき出しの土が見えたが、工事が早く進んだ西立て坑側は壁面、地面ともコンクリートできれいに固められているのが分かった。本年度中に、坑道につながる試験用の横穴がすべて完成すると、総延長は約760メートルになる。

 埋設試験は放射性廃棄物を模した100度程度の熱源を鋼鉄製容器に入れ横穴に埋める。水分を通しにくい特殊な粘土で覆い、地下水の浸透や容器の腐食の程度を数年かけて調べる。

 調査坑道は昨年3月に掘削を開始。今年2月と5月に地下水の大量流出やメタンガス濃度の上昇で作業員が避難するトラブルが起きた。同機構堆積岩処分技術開発グループの藤田朝雄リーダーは「堆積岩の地層での埋設試験は国内では行われていないので、処分技術の確実性を高めるデータを取得したい。(地下水の)流出対策は行っている」と話した。
ーーー<北海道新聞10月29日朝刊掲載>


コメント:高レベル放射性廃棄物の処分方法は、原発の再稼働問題と深く関連している。小泉前総理の指摘では、日本国内の地下処理は困難故、原発再稼働を支持しない立場を取ると説明があったが、果たして日本で安全に処理できるかは重大な課題である。




原発ゼロ約束は「無責任」と首相…小泉発言で(25.10.24)


安倍首相は24日のテレビ朝日番組で、小泉純一郎元首相が国内すべての原子力発電所を廃止する「原発ゼロ」を政府の方針とするよう主張していることについて、「今の段階でゼロと約束するのは、無責任だと思う」と述べた。

 番組は23日に収録された。

 原発ゼロの達成が難しい理由として、首相は、原発停止に伴う火力発電などの燃料費増加が年4兆円近いことを挙げ、「海外に国の富が4兆円、出て行ってしまう。ずっと続いていくと大変なことになる」と強調した。

 自らの「政治の師」である小泉氏が政府の方針と異なる考えを打ち出していることに関しては、「小泉さんの政治的な一つの勘もあるのだろう」と語った。

−−−読売新聞(2013年10月24日)






原発、一定割合維持へ=電源構成で政府、安全確保前提−エネルギー計画の作業本格化(25.10.19)


政府は19日、中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」で、安全確保を前提に、国の電源構成の一定割合を原発で賄う方向性を打ち出す方針を固めた。政府は2011年3月の東京電力福島第1原発事故を踏まえ、10年に策定した現在の基本計画を年内をめどに改定する予定。来月から経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(三村明夫委員長)で作業を本格化させる。
 分科会は詰めの議論に先立ち、16日に開いた会合で原発に対する各委員の意見を聴取した。山名元京大教授が「エネルギー安全保障の視点から(原発は)重要だ」と訴え、地球環境産業技術研究機構の秋元圭吾氏も「安価な電源で、地球温暖化対策にも役立つ」と指摘。民主党政権下の総合エネ調では「脱原発派」の意見が目立ったが、政権交代を機にメンバーが様変わりし、原発の即時撤廃を求める声はなかった。
 現在の基本計画は、原発を「基幹電源」と位置付けた上で、原発や水力など二酸化炭素(CO2)を排出しない電源の割合を30年までに約70%に高める目標を明記した。今回の改定では、原子力規制委員会の安全審査に適合する原発の数が見通せないことを踏まえ、望ましい原発比率の明示は見送る方向だ。
−−−時事ドットコム(2013/10/19)






安全審査、年内の終了困難に…4電力6原発(25.10.17)


原子力規制委員会による原子力発電所の安全審査会合が16日開かれ、4電力6原発の担当者が、審査に必要な資料を提出し終える時期を「11月下旬〜12月中旬」と報告した。

 審査開始から約3か月たったが、29の主要審査項目のうち、最も多く資料を提出している北海道電力泊原発3号機と九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)でも、まだ11項目にとどまる。提出後も審査で不備な点があれば、追加説明などが求められるため、審査が年内に終わるのは極めて難しい情勢だ。

 報告によると、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)はわずか6項目しか提出していなかった。

 提出終了時期が最も早かったのは、泊原発3号機と四国電力伊方原発3号機(愛媛県)で、「11月下旬」と回答した。次いで関電大飯原発3、4号機(福井県)が「12月上旬」などと続いた。
−−−読売新聞(2013年10月17日)






原発再稼働を容認、福井・おおい町長が引退表明(25.10.9)


福井県おおい町の時岡忍町長(76)(当選3回)は8日、町役場で記者会見し、来年4月1日の任期満了に伴う次期町長選に立候補せずに、今期限りで引退すると表明した。

  時岡町長は「体力に自信が持てなくなった。無理をすると町民に迷惑がかかる」と理由を説明し た。

 時岡町長は旧大飯町収入役を経て1999年に同町長選で初当選。旧名田庄村との合併後の2006年から、おおい町長を務め、07年の出直し町長選で再選、10年に3選した。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故後、全国の原発で初めての再稼働となった関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を昨年6月に地元として容認するなど、全国の注目を集めた。

 これまでを、「(旧大飯町時代に原発を誘致、稼働につなげた)歴代町長のお陰で財政的に非常に安定した時期に町政を預かれて幸せだった」と回顧。埋め立て地を活用した「道の駅うみんぴあ大飯」や総合運動公園球技場の完成などを印象的な事業として挙げた。

 大飯原発の再稼働については、「町民説明会を開いて意見を聞く場も持った。激しい反対運動もあったが、各町議が真剣に取り組んで『(再稼働を)容認すべきだ』という結論をいただいた」などと話した。

 引退は9月末に決心したといい、「町政に心残りはない」と言い切った。「(後任の)新しい人のために後援会作りの必要もある」と、この日に引退を表明したが、「後任の指名はしない」という。

−−−読売新聞(2013年10月9日)






CO2排出3年連続増=原発停止が影響−12年度(25.10.2)


資源エネルギー庁が2日発表した2012年度のエネルギー需給実績(速報)によると、発電や自動車燃料などのエネルギー消費による国内の二酸化炭素(CO2)排出量は、11年度比2.8%増の12億700万トンとなり、3年連続で増加した。東京電力福島第1原発の事故発生前の10年度との比較では7.4%増。資源エネ庁は「原発停止に伴い化石燃料の消費量が増えたことが影響した」と分析している。
 エネルギーから発生するCO2は国内全体の排出量のうち9割程度を占める。13年9月には関西電力大飯原発4号機が停止し、稼働中の国内の原発は再びゼロになった。東京電力柏崎刈羽原発6、7号機など、原子力規制委員会に安全審査が申請された原発の再稼働が遅れれば、CO2排出量の高止まりが続く要因となる可能性もある。
−−−時事ドットコム(2013/10/02)








柏崎刈羽原発を公開=津波、地震対策を強化−東電(25.10.2)


東京電力は2日、地震や津波に備える安全対策で追加工事を実施中の柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)を報道陣に公開した。再稼働に向けた安全審査を申請した6、7号機などで、同原発の担当者が7月に施行された新規制基準に対応するための工事の進行状況を説明した。


柏崎刈羽原発で基礎工事が進むフィルター付きベント(排気)装置。原発事故時に原子炉格納容器の破損を防ぐ=2日午前、新潟県柏崎市

 安全審査の焦点の一つは、事故時に原子炉格納容器が過度な圧力上昇で破損するのを防ぐフィルター付きベント(排気)装置の設置。現在、装置本体を安定させる土台部分を建設しており、6、7号機は年度内の完成を目指している。新潟県の要請で追加設置を決めた二つ目のフィルター付きベントは未着工だが、耐震性を高めるため、原子炉建屋横の地下に設置する方向だ。


公開された柏崎刈羽原発の防潮堤=2日午前、新潟県柏崎市
 この日は津波被害を防ぐ防潮堤も本体工事を終え、公開された。福島第1原発事故を教訓に従来の約2.6倍の8.5メートルの津波を想定し、防潮堤の海面からの高さを約15メートルにした。これで新潟県中越沖地震や東日本大震災を受けた柏崎刈羽の安全対策の総工費は約3200億円に上る。
−−−時事ドットコム(2013/10/02-20:05)






【参考】柏崎原発、歩道が地震で破壊された。2007年7月18日
これ以上の地震が将来起こらない保証はない。



小泉元首相が「脱原発」主張=安倍政権に決断促す(25.10.1)


小泉純一郎元首相は1日、名古屋市で講演し、日本のエネルギー政策について「私は原発ゼロを主張している。(原発事故を引き起こした)東日本大震災をチャンスと捉えるべきだ。原発ゼロの循環型社会をつくる契機となる」と述べ、「脱原発」を訴えた。
 小泉氏は「原発ほど費用がかかるものはない。事故を起こしたら影響は計り知れない。廃炉も40〜50年かかる」と指摘。「原発をゼロにしても日本は十分やっていける。早い方がいい」と、安倍政権に脱原発の早期決断を促した。
−−−時事ドットコム(2013/10/01)







脱原発「考える時」 4期16年、村上東海村長が退任(25.9.21)


4期16年にわたって東海村政をかじ取りし、日本原子力発電東海第2原発の廃炉と「脱原発」を訴えた村上達也村長(70)の退任式が20日、村役場で行われた。村職員や村民に対し、「政府の決定を待つことなく、原発に依存しないまちづくりを考える時だ」と意識の転換を呼び掛け、「老兵は死なず、ただ去るのみ。万感を込めて、ありがとう」と感謝を述べて、慣れ親しんだ庁舎に別れを告げた。

村上村長は同日午前10時から村職員を前に、「遺言」として最後のあいさつ。人と環境、地方自立を重視した村政を振り返り、「地方分権時代にあって、生き残る力量を持った実行部隊ができた。慢心することなく精進を願いたい」と述べて、満足感を漂わせた。


村長退任式を終え、職員たちから拍手で見送られる村上達也氏(右)=東海村役場

原発問題について、雇用や財源問題は悩み深いと前置きしつつ、「福島第1原発事故による被害の過酷さを知った今、地域住民の命と健康、将来の生活を守ることは、何にも増して優先されるべきだ」と強調し、原発依存からの脱却を訴えた。

退任式に先立ち行われた記者会見では、福島第1原発5、6号機の廃炉を要請した安倍政権を「何の脈絡もない」とし、「原発の問題性が明らかになったのに政策転換ができていない」と批判。「原発に依存した産業や財源構造をどう軟着陸させるかだが、“依存”と“脱”しか議論されないのは、この国の軟弱性だ」と指摘して、今後も国や国民に対して政策と意識の転換を求める発言を続けるとした。

後継に指名し、8日の村長選で初当選した前副村長の山田修氏(52)については「村民の話を聞いた上で東海第2は動かせない結論になるだろう」と見解を述べた。

退任式には、前村理事の前田豊文部科学省参事官や村議たちが来場。役場の正面玄関前には多くの支持者も訪れ、拍手を送って別れを惜しんだ。山田氏は24日に初登庁する。
−−−茨城新聞(25.9.21)







日本は原発再稼働を=米シンクタンク所長(25.8.30)


安倍晋三首相は30日、米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のジョン・ハムレ所長らと首相官邸で会談した。ハムレ氏は日本経済の安定には原発再稼働が不可欠だと指摘。東京電力福島第1原発の高濃度汚染水漏れに対処するため、技術支援や人材提供などの協力を申し出た。首相は「大変有益な話だ」と応じたという。
−−−時事ドットコム(2013/08/30)







ドイツぶれない「脱原発」 日本の回帰「理解できぬ」(25.8.25)


東京電力福島第一原発の事故を受け、「原発ゼロ」を目指す方針を決めたドイツ。再稼働に向けて動き出した日本とは対照的に、9月の総選挙ではこの目標に争いはなく、与野党ともに自然エネルギーの推進を訴えている。ただ、自然エネの普及に伴って電気料金は値上がりが続いており、対策に苦労している。

■総選挙、与野党とも自然エネ推進

 ドイツは福島事故後に超党派で「脱原発」を決めた。事故前に17基あった原発のうち8基を閉鎖し、残る9基を2022年までに順次閉鎖。自然エネルギーによる電力の比率を20年までに35%、30年までに50%へ増やす目標を立てた。

 自然エネは想定以上のペースで拡大し、事故前の10年に電力の22・4%をまかなっていた原子力の比率は12年に16・1%まで低下。一方、自然エネは16・4%から22・1%まで増えた。

−−−朝日新聞(25.8.25)








原子力政策の議論本格化=経産省分科会(25.8.27


経済産業省は27日、総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の基本政策分科会を開いた。政府の「エネルギー基本計画」の年内策定に向け、原子力政策の議論を本格化させた。
 経産省は、原発の停止で発電コストや二酸化炭素(CO2)の排出量が膨らんでいる現状を説明。これに対し、委員からは「電力料金が上がると産業が競争力を失う」など原子力の必要性を指摘する意見が出た。一方、「原子力を過大評価しすぎだ」と発言する委員もいた。
−−−時事ドットコム(2013/08/27)






原発再稼働、半数が不支持=時事世論調査 (25.7.12)


時事通信の7月の世論調査で、原発の新しい規制基準の施行を踏まえ「新基準に適合する原発は再稼働させる」とした安倍内閣の方針への賛否を尋ねたところ、「支持しない」と答えた人は49.7%に上り、「支持する」の41.1%を上回った。規制強化にもかかわらず、再稼働に慎重論が根強いことが改めて浮き彫りとなった。

 支持政党別にみると、「支持しない」は生活の党とみどりの風の支持層でいずれも100%。以下、社民党87.5%、共産党76.9%、みんなの党68.2%、民主党66.7%、公明党57.9%、日本維新の会57.1%と続いた。無党派層は52.0%。自民党支持層は「支持する」が56.4%で、「支持しない」35.5%を唯一、上回った。 

原発再稼働・世論調査(共同通信25.7.12)

ーー[時事通信社、58.7.12]








原発新規制基準:再稼働へ差拡大 順調な伊方、保留の高浜(25.8.9)


東京電力福島第1原発事故を踏まえた原発の新しい規制基準が施行されて8日で1カ月。電力4社が6原発12基の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請した。審査では、対策や備えの甘さを指摘された関西電力高浜3、4号機(福井県)など6基が後回しとなり、先行する四国電力伊方3号機(愛媛県)など6基と二極化が進んでいる。


再稼働申請を原子力規制委員会に届け出た原発と早期申請予定の原発※数字は号機

 規制委は、高浜3、4号機の津波想定について、敷地の高さを超える津波が来ると予測した福井県の試算を反映しない姿勢を問題視、審査を後回しにした。関電は「規制委に応じる」と方針転換した。北海道電力泊1、2号機(北海道)では、重大事故時の解析で構造の異なる3号機のデータを流用し「明らかな準備不足」と批判し、審査を保留された。関電大飯3、4号機(福井県)は、敷地内に活断層がないと判明するまで保留されている。

 これに対し、伊方3号機は事故時の前線基地となる「緊急時対策所」を12基の中で唯一完成。地震の揺れが施設に与える影響予測に必要な地下構造の調査も「把握されている」(島崎邦彦・規制委員長代理)と、再稼働の最短距離にいる。続いて準備が進むのが、九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、玄海3、4号機(佐賀県)、泊3号機だが、5基は不十分さが指摘される。

 石原伸晃環境相は8日の記者会見で、9月中に審査担当者を増員し約100人態勢を目指す方針を表明した。ただ、審査後の地元自治体の了解手続きなどがあり、年内の運転再開が困難な情勢だ。

 ◇電力 更新計画たたず

 「電力の供給力増強に向け対策は打ったが、十分かどうかは原発(の再稼働)次第。現状では、発電所の新設や更新計画をたてられない」(大手電力会社幹部)。原発が何基動くかで電力の安定供給に必要となる発電所の数も変わるため、各社は原発以外の設備投資に踏み切れないでいる。

 泊1?3号機(計約207万キロワット)の審査を申請した北海道電力では、稼働から45年を経過した施設を含め全12基の火力発電所を稼働。それでも供給力はギリギリのラインしか確保できていない。震災前からの計画で今後15年以上かけ火力、水力発電所計6基(約200万キロワット)の建設を計画しているが、泊原発が動かなければ、これらの老朽化火力の更新を本格的に検討する必要も出てくる。
−−−毎日新聞(25.8.9)







原発規制基準、三つの疑問 事故頻度/放射線量/集中立地(25.8.5)


世界一」。原子力規制委員会が胸を張る「原発新規制基準」の施行から約1カ月が過ぎ、電力4社が原発12基の安全審査を申請している。だが、肝心なのは規制によって具体的にどれだけ安全になるのかだ。三つの疑問が浮かんできた。



東京電力柏崎刈羽原発で進められている、フィルター付きベント装置の基礎工事。鉄棒が並んでいる部分を今後、高さ14メートルの壁が囲み、内部には貯水タンクなどフィルターの役を果たす機器が配置される=6月20日

 「核燃料が溶ける炉心損傷は1万年に1回以下」「原子炉本体を覆う格納容器の機能喪失は10万年に1回以下」「放射性物質セシウム137の放出量が100兆ベクレル(福島第1事故の約100分の1)を超える事故は100万年に1回以下」……原子力規制委が4月に定めた「安全目標」だ。何万年に1回とは、国内全原子炉の延べ運転年数あたりの数字だ。東京電力福島第1原発事故では原子炉3基が炉心溶融。日本の原発は事故前に延べ約1500年運転しており、頻度は約500年に1回だった。「100万年に1回」が実現すれば、頻度は2000分の1以下に減る。

 一方、新規制基準は電力会社に▽核燃料が溶ける「炉心損傷」の防止策▽原子炉本体を覆う「原子炉格納容器」の破損防止策▽放射性物質の拡散抑制策??などを義務づけた。規制委が作った基準だから、守れば目標を達せられると思うのが自然だ。ところが、それを裏付ける試算は実はどこにもないのだ。事務局の原子力規制庁技術基盤課は「目標が達成できるかは検証できていない」と認める。

 どういうことなのか。

 規制基準など安全対策から事故頻度をはじき出すには通常、「確率論的リスク評価(PRA)」という方法が使われる=ことば参照。独立行政法人・原子力安全基盤機構の高松直丘・耐震安全部長は「PRAを使えば事故の推定頻度を国民に示せる。また安全対策ごとに事故の減り方が数値で示されるので、より効果の高い対策を選べる」と説明する。機器の故障率や事故発生の道筋を細かく検討するため、対策の漏れが減るメリットもある。

米、英、独などは1990年代初めから原発規制にPRAを活用してきたが、日本の動きは遅かった。電力会社はPRAをしてきたものの、考慮する事故要因を原発内部の異常に絞ってきた。日本では地震や津波の方が「けた違いに大きい事故要因」(高松部長)のため事故全体の頻度は分からなかった。「事故の頻度を数字で示せば安全神話と矛盾し、頻度の高い原発は苦しい立場に陥る」との事情もあったとみられる。政府は2011年6月に国際原子力機関に提出した福島第1の事故報告書で「事業者にリスクを(地震など)外部事象も含めて評価させ(安全対策を)強制すべきだった」と、ようやくPRAの必要を認めた。

 にもかかわらず規制委は、新基準の作成に地震や津波を考慮したPRAを用いなかった。「地震国の日本では地震の頻度推定が難しく、PRAは手法が未成熟と判断した」というのが規制庁技術基盤課の言い分だが、これにより新規制基準と安全目標は直接つながらなくなってしまった。

 米原発メーカー「ゼネラル・エレクトリック」で18年間、原発技術者を務めた佐藤暁さんは「欧米では1万年に1回以下とみられる地震の揺れを想定して原発を造る。日本の原発は05年以降で5回も想定を超える揺れに遭遇した」と甘さを指摘。「新基準は安全対策をつぎはぎしたパッチワークで、全体としての効果が不明。PRAを使って試算すべきだ」と訴える。

 規制委は「今後、電力会社にPRAを実施させ、目標達成状況を検証する」としている。だが時期は未定で1?数年後になりそうだ。事故要因に地震を含めるかどうかさえ決まっていない。

 新基準の施行と同時に、ある「指針」が廃止された。旧原子力安全委員会の「立地審査指針」。「原発は住民に著しい放射線障害を与えないこと」と定め、原発の敷地境界での放射線量を大事故時でも250ミリシーベルト以下に抑えるべきだとしていた。電力会社は指針に基づいて大事故時の放射線量を試算し、結果を国に報告・公表してきた。

 規制庁技術基盤課は「試算には原子炉格納容器は壊れないとの仮定があったが、福島第1の事故で容器が壊れ、無意味になった。事故防止に直接つながらない試算でもあり廃止した」としている。

 だが、避難を強いられる周辺住民にとって放射線量の試算は命にかかわる問題だ。

新基準は原発にフィルター付きベント装置の設置を求めている。事故の際、格納容器内の蒸気を外に出して容器の爆発を防ぐ装置だ。蒸気をフィルターに通すことでセシウムなどを約1000分の1に減らすが、「希ガス」と呼ばれる別の放射性物質は素通りしてしまう。希ガスの放射線量は比較的早く減るが、事故当初に出る量はセシウムよりはるかに多い。ベント直後の周辺放射線量を大きく左右する。福島第1原発1号機のベントでは東電推定でセシウム137の10兆ベクレルに対し希ガス4000兆ベクレルが放出された。

 東電は柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)にフィルターベントを設ける計画だ。「フィルターは土壌汚染や避難長期化の防止が目的。ベントの際には住民に避難していただく」と柏崎市議会で説明した。ベントで周辺の放射線量は何ミリシーベルトになり、誰がどう避難すべきなのか。柏崎市や新潟県の防災担当者は「避難計画作りには線量試算が欠かせない」と言うが、「気象条件で違う」などとして東電は試算を公表しない。明らかに立地指針廃止の影響だ。

 滝谷紘一・元原子力安全委員会事務局技術参与はフィルターベントの際に敷地境界の放射線量が最大でどの程度になり得るかを5原発で試算し、雑誌「科学」6月号に発表した。最低の柏崎刈羽原発で2348ミリシーベルト、最高の浜岡原発(静岡県御前崎市)で3万7471ミリシーベルトだった。「試算の10分の1の値でも健康に影響しかねない。放射線量抑制は住民への約束だったのに指針廃止はおかしい」と憤る。

 福島では同じ敷地に立つ原子炉3基が同時に炉心溶融し事故対処を難しくした。田中俊一・規制委員長は昨年の記者会見で「集中立地」を問題視する発言をした。だが新基準では、この問題はほとんど考慮されていない。

 柏崎刈羽原発には原子炉7基が並ぶ。柏崎市は、5月に規制委に出した質問状で集中立地への考え方をただした。規制委は7月になって「集中立地を行うかは規制委が申し上げることではなく、事業者(電力会社)の判断」と文書で回答。会田洋市長は「少し乱暴な書き方だ」と批判する。

 「単純に言えば原子炉7基なら事故発生率も7倍。1基ごとの事故頻度を単独の原子炉の7分の1に抑えるような方法もあるはずだ」。佐藤さんは集中のリスクを軽視した規制のあり方にそう疑問を呈している。

大規模システムの危険性評価に使われる手法。原発の場合、まず事故要因となる地震や津波、原発内部の異常がそれぞれ約何年に1回起きるかを見積もる(発生頻度)。次に地震などで機器が壊れる確率を機器を揺らす実験などから求める(故障率)。さらに発生頻度と故障率を組み合わせて事故の頻度を算出する。化学プラントや宇宙船の開発にも用いられる。
−−−毎日新聞(25.8.5)











活断層連動しても影響なしと報告 大飯原発追加申請で関電(25.8.5)


関西電力は5日、再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請している高浜原発3、4号機(福井県高浜町)と大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、詳細設計に当たる工事計画認可の追加申請を行った。大飯では、周辺三つの活断層が連動しても重要な設備に影響はないと報告した。

 設計基準を超える重大事故や火災などに対処するため、蒸気を外部に放出する2次系の主蒸気逃がし弁や格納容器スプレー系を動かすポンプなど、1基あたり既設約60の設備を申請した。

 大飯3、4号機の耐震性では、同原発北西側の若狭湾に延びる「FO―A」「FO―B」断層と南東の陸側にある熊川断層の連動を考慮。地震動は759ガル(ガルは加速度の単位)となり、その結果に基づき重要設備への影響を評価した。関電は3連動は「念のため」の評価とし、耐震設計上考慮する揺れ(基準地震動)は700ガルを変えていない。

 今後は高浜3、4号機に関しても3連動を評価して追加申請する方針。

 基準津波に関しては、高浜、大飯両原発とも海底活断層「若狭海丘列断層」の長さを福井県が評価した90キロに修正して再評価する。高浜で想定する最大規模の津波高は敷地の高さを超える可能性が高く、放水口や取水路を閉じるなどの対策を実施する。

 大飯3、4号機の安全審査について規制委は、敷地内で継続している破砕帯(断層)の評価がまとまるまで進めない方針。高浜3、4号機も津波の想定などが不十分として、審査に入らないことを決めている。

−−−福井新聞(25.8.5)










敦賀2号機直下「活断層でない」…海外専門家ら(25.8.2)


日本原子力発電の委託を受けた海外の専門家による検証チームは1日、原子力規制委員会が活断層と認定した敦賀原子力発電所(福井県)の2号機直下の断層(破砕帯)について、「活断層ではないことを示す明確な証拠がある」として、原電の主張を認める調査結果を発表した。

 英国やニュージーランドの地質学者らによる検証チームは、7月29日に現地調査を行い、火山灰層の状況などから、「断層の活動性は否定できる」と断定した。

 原電は7月11日、追加調査の結果に基づき、「断層は活断層ではない」と主張する報告書を規制委に提出した。規制委は今後、公開の検討会を開いて報告書の内容を議論する。原電は検討会で検証チームの調査結果を示し、規制委に活断層の認定の見直しを求める。

−−− 読売新聞(2013年8月2日 )












玄海など4原発の審査先行…「大きな不備なし」(25.7.25)


 原子力規制委員会は25日、原子力発電所の再稼働に向けた安全審査の会合で、審査の申請があった6原発12基のうち、4原発6基の審査を先行させることを決めた。

 この日、実質的な議論を始めた九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県)について、申請内容に大きな不備はなく、本格審査に進めるとの判断を示した。



本格的な安全審査が始まる九州電力玄海原発3号機(奥右)と4号機(奥左)

 審査の申請は、今月8日の新規制基準施行後、相次いで提出された。これまでの会合で、九電川内原発1、2号機(鹿児島県)、北海道電力泊原発3号機、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)も、申請に大きな不備がないことを確認済みで、玄海原発を加えた4原発6基が、当面の審査の軸となる流れが固まった。

 一方、関西電力高浜原発3、4号機、北電泊原発1、2号機は、申請内容の大幅な修正が必要と指摘され、審査が留保されている。関電大飯原発3、4号機も、審査の前提となる断層調査が終わっていない。

−−− 読売新聞(2013年7月25日 )











規制委が泊1・2号機、高浜3・4号機審査保留(25.7.23)


 原子力規制委員会は23日、再稼働に向けて8日に申請された5原子力発電所(計10基)の安全審査を、公開の会合で行った。

 北海道電力泊原発1、2号機と関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の申請内容に不備があると判断、大幅な追加や修正を求めた。活断層の調査が済んでいない関電大飯原発3、4号機(同)とあわせ、計6基の審査は当面、後回しになる。

 規制委は会合で、原発ごとに課題を提示した。泊1、2号機の重大事故対策については「構造が違う3号機のデータを流用している。明らかに準備不足」と批判し、「審査を保留する」と決めた。高浜原発に対しては、自然災害の想定が甘いと指摘。長さ約90キロの断層も考慮して津波の想定をやり直し、地下構造も詳しく調査するよう指示した。

−−− 読売新聞(2013年7月23日 )











原子力規制委、電力側の不備指摘…安全審査(25.7.17)


原子力規制委員会は16日、原子力発電所の新規制基準に基づく安全審査の初会合を開いた。

 9月に停止する関西電力大飯原発3、4号機(福井県)を含め、電力4社が再稼働の前提条件として審査を申請した5原発(計10基)について、集中審議を行った。

 地震や津波、噴火の想定について、規制委側は四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の申請内容に大きな不備を指摘しなかったが、他の4原発に対しては質問を重ねた。特に問題視したのが、大飯原発と高浜原発3、4号機(福井県)の津波の高さに影響する、海底断層についての関電の想定。規制委は、大飯原発の運転継続を認めた4〜6月の会合で、津波が大きめになるタイプの活動を想定するよう関電に指示した。しかし、関電は今回、この想定をせずに申請した。

 同じ会合で規制委が求めた、周辺の活断層3本が連動する可能性についても、関電は今回の申請で地震の想定に取り入れていない。同社は16日の会合で、規制委との見解の違いについては「再度議論させてほしい」と述べた。

 北海道電力泊原発1〜3号機と九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)は、いずれも周辺に火山が多い。規制委側は泊原発について「積雪時に火山灰が降る影響も考慮を」と注文した。

 一方、炉心損傷など重大事故への対策については、4社とも規制委が新基準の関連文書で例示した想定しか取り上げておらず、原発ごとの特性を反映していないと厳しく批判した。

−−− 読売新聞(2013年7月17日 )











4社10基、再稼働申請 原発新基準満たさず(25.7.9)


原発の新しい規制基準が施行された八日午前、電力四社は五原発十基の再稼働を原子力規制委員会に申請した。現時点では、どの原発も新基準で求められる施設や調査に不十分な点があるが、電力各社は原発停止の長期化による経営悪化を理由に早期の再稼働を目指している。新基準の施行日に、先を争うように申請した。 


 申請したのは北海道電力の泊1〜3(北海道)を皮切りに、関西電力の大飯3、4(福井県)、高浜3、4(同)、四国電力の伊方3(愛媛県)、九州電力の川内(せんだい)1、2(鹿児島県)の各号機。

 いずれも、重大事故を起こした東京電力福島第一原発の沸騰水型原発(BWR)と異なり、加圧水型(PWR)というのが特徴。

 九電は十二日に玄海原発3、4号機(佐賀県)を申請する予定。東電も柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の申請を目指しているが、新潟県などから「事前了解が必要だ」と反対され、初日の申請を断念した。

 電力各社は、新基準への対応は済んだと強調している。だが、新基準で求められる設備の設置や、地震・津波の新たな想定はまだ完了していない。

 東京電力福島第一原発事故で、作業員の最前線基地となった事故時の作業拠点は、この日申請された中で完成済みなのは伊方原発のみ。他は「代用の施設を検討中」(北海道電)とするなど、対策未了のまま申請した。

 規制委が、唯一稼働中の大飯原発3、4号機をめぐり、作業拠点などは当面、代用施設でもしのげることが確認できれば、現時点で新基準に不適合であっても、九月までの運転継続を認めたことが影響を及ぼしている。

 規制委は三チーム計約八十人で申請内容を審査する。

 審査には最低でも半年はかかるとしており、九月に大飯原発が定期検査入りすると、再び原発の稼働数はゼロとなる。

<原発の新規制基準> 東京電力福島第一原発事故を教訓に、原子力規制委員会が従来の指針などを見直して策定。炉心溶融や放射性物質の大量放出といった過酷事故への対策や、地震、津波対策を強化した。原発再稼働は新基準に適合していることが条件となり、電力会社は審査を規制委に申請する。加圧水型原発はフィルター付きベント設備の設置に5年の猶予期間が認められている。新基準は既存の全50基のほか、新たに建設される原発にも適用される。
−−−東京新聞(25.7.9)









参考:加圧式原子炉(加圧水型原子炉Pressurized Water Reactor, PWR




加圧水式原子炉の概念図


特徴:

一次冷却系と二次冷却系という分離された冷却系を有する原子炉では、放射性物質を一次冷却系に閉じこめることが出来る為、沸騰水型原子炉 (BWR) のようにタービン建屋を遮蔽する必要が無く、タービン・復水器が汚染されにくいため保守時の安全性でも有利である。ただ、蒸気発生器という沸騰水型原子炉にはない複雑に配管がからみ合った熱交換器や必然的に増えるポンプや配管類の保守性や安全性は別に考慮されるべきである。実際に蒸気発生器のトラブルは過去に頻発しており、近年は事故があまり起こらないのは保守担当者の労力に拠っている。

沸騰水型原子炉でもほぼ同様だが、加圧水の炉心出口温度を上げることでより高い熱効率を得ることが出来るが、主に燃料棒の金属被覆ジルコニウムの温度に対する脆弱性の問題で、あまり高温にすることが出来ない為に、火力発電所では常識となった超臨界水を熱媒体として使用することは出来ない。沸騰水型原子炉では加圧水型原子炉に比べ、二つの冷却系間における熱交換ロスがないので経済性では優位といえる。

企業背景:

加圧水型原子力発電所の設計・製造・建設はMHI(三菱重工業)、WH(ウェスティングハウス・エレクトリック)がその主要なメーカーであったが、2006年に東芝が54億ドル(当時:約6210億円)に上る株式取得によりWHを関連会社としたことで、従来は沸騰水型原発の主要メーカーの一角であった東芝が、現在は東芝-WH連合としてトップシェアを占めている。しかしながら東芝-WH連合は、加圧水型原子力発電所の最重要機器であり且つ加圧水型原子力発電所を成立させる蒸気発生器を製作する技術は無いため、自力でプラントを成立させることはできず製作実績のあるメーカーに頼らざるを得ない。

なお、沸騰水型原子炉 (BWR) の主要メーカーとしては東芝のほか、日立製作所とGE(ゼネラル・エレクトリック)(日本では両社の原子力事業統合会社「日立GEニュークリア・エナジー」を設立)があるが、世界的な趨勢は加圧水型原子炉 (PWR) の新規建設が多く、劣勢な沸騰水型原子炉 (BWR) の技術的巻き返しがあるか今後が注目される。

戦後の技術導入の経緯から、関西電力は加圧水型原子炉 (PWR) を、東京電力は沸騰水型原子炉 (BWR) を、それぞれ原子力発電所の基本設計として採用し現在に至る。
−−−ウイキペデイア







沸騰水型原子炉Boiling Water Reactor、BWR



参考:沸騰水型原子炉 (BWR)の概念図

核分裂反応によって生じた熱エネルギーで軽水(水の別称)、を沸騰させ、高温・高圧の蒸気として取り出す原子炉であり、発電炉として広く用いられている。炉心で取り出された汽水混合流の蒸気は汽水分離器、蒸気乾燥機を経てタービン発電機に送られ電力を生ずる。原子炉としては単純な構造ということもあり、日本国内で運転可能な原子炉の中では、最も多いタイプであるが、原子炉炉心に接触した水の蒸気を直接タービンに導くため、放射性物質に汚染されることにより、耐用年数終了時に放射性廃棄物が、加圧水型原子炉 (PWR) より多く発生し廃炉コストが嵩む可能性が高い。また、その汚染のため作業員の被曝量が加圧水型原子炉よりも多い。
−−−ウイキペデイア










自治体アンケート:6割が「政府判断求める」 再稼働「認める」は3割(7.8)


電力会社が原発の再稼働に向けた安全審査の早期申請を表明した7原発周辺の73自治体のうち、6割の44自治体が、運転再開には原子力規制委員会の審査終了後、地元の同意に加え、政府の責任で判断する必要性があると考えていることが6日、共同通信社のアンケートで分かった。再稼働について「認める」「今後認める」の回答は合わせて3割弱にとどまった。


再稼働はどのように決めるべきか?

 原発の新規制基準が施行される8日以降、速やかな申請を目指すのは、北海道電力泊原発、東京電力柏崎刈羽、関西電力の大飯と高浜、四国電力伊方、九州電力の玄海、川内の7原発14基。アンケートは立地自治体のほか、原発から半径30キロ前後で、事故時の対策が必要となる「緊急防護措置区域(UPZ)」に入る自治体を対象にした。

 規制委が新基準に適合していると認めた場合の再稼働の是非は、44自治体が「政府が判断する(地元の同意も必要)」と回答。「政府が判断する(地元の同意は不要)」も5自治体で、合わせると7割近くが政府の責任の明確化を求めた。

 脱原発の世論が根強い中、規制委が基準適合を認めるなど条件が満たされた場合でも、自治体側から再稼働の是非を言い出しにくいためとみられる。

 規制基準の整備が先行する一方、再稼働手続きには不透明な点が残るため、対応に慎重な自治体が多い。再稼働を「認める」の回答は11自治体、「今後認める」が8自治体に対し「当面認めない」5自治体、「認めない」3自治体で、「判断できない」が29自治体と最も多かった。


原発再稼働の手続き

 新基準については「安全対策として十分」「どちらかといえば十分」が計26自治体に上り、「不十分」「どちらかといえば不十分」は計7自治体にとどまった。「分からない」が27自治体と最も多く、新基準への理解が進んでいない側面も浮かんだ。

 アンケートは6月下旬から7月上旬にかけて実施し、73自治体すべてが回答した。


過半数が規制委評価 「安全性を重視」 

 原発に関する自治体アンケートでは、原子力規制委員会の活動について、73自治体のうち過半数の40自治体が「安全性を重視している」などと評価していることが分かった。評価できないとする回答は25自治体だった。

 評価できる理由は「安全性を重視している」が17自治体で、安全性について「科学的な判断に努めている」が8自治体だった。

 一方、評価できない理由は「情報公開や説明が不十分だ」との回答が16自治体と最も多かった。

 ほかに「新基準の運用はこれからで、実効性は明らかになっていない」などと個別に理由を挙げて、明確な評価を示さない自治体も目立った。

 また再稼働の際に同意が必要となる地元の範囲については、18自治体が「原発が立地する道県と市町村のみ」と回答。12自治体が「原発の半径30キロ圏の全自治体」と答えた。そのほか「30キロを超えて(事故による)影響が大きい自治体も対象とすべきだ」(滋賀県)との主張や、「国が方針を示すべきだ」(新潟県上越市)などの意見もあった。

 自治体と電力会社が事故時の情報提供のあり方などについて定める原子力安全協定は、東京電力福島第1原発事故後に結んだと回答した自治体が37自治体に上り、事故前から締結していると回答した23自治体を大きく上回った。

【原発の新規制基準】 
 原発の新規制基準 東京電力福島第1原発事故を教訓に、原子力規制委員会が従来の指針などを見直して策定。炉心溶融や放射性物質の大量放出といった過酷事故への対策や、地震、津波対策を強化した。8日に施行。原発を再稼働させるためには新基準に適合していることが条件となり、電力会社は安全審査を規制委に申請する。新基準は既存の全50基のほか、新たに建設される原発にも適用される。

−−−共同通信(25.7.8)













柏崎刈羽原発/東電に動かす資格あるか(25.7.7)


東京電力が新潟県の柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に名乗りを上げた。原子力規制委員会に安全審査を申請する。

 東電は福島第1原発事故で経営が破綻し、国の支援を受けて立て直しを図る。

 再建計画は柏崎刈羽原発の再稼働を前提にしたものだ。東電が昨年5月にまとめた総合特別事業計画は、来年3月期の経営黒字を目標にする。だが、計画に織り込んだ4月からの再稼働を果たせず、目標達成は困難視されている。

 原発の新規制基準の施行は8日。基準に適合する原発について、電力各社は一斉に安全審査を申請するとみられる。

 東電とすればバスに乗り遅れるわけにはいかないということか。

 柏崎刈羽原発は計7基、総出力820万キロワットと世界最大級だ。特に改良型沸騰水型原子炉の6、7号機は出力が大きく、黒字化に欠かせないのだろう。

 だが、原発事故から2年4カ月がたっても原因の解明すらできていない。そんな東電を、同じスタートラインに立たせることに理解が得られるだろうか。

 事故を真摯(しんし)に反省しているのか、といった批判もある。とりわけ被災者らの不信には根強いものがある。

 第一、事故は終わっていない。繰り返される汚染水漏れなど、収束状態に程遠い。除染作業にも課題を残す。放射能で古里に戻れない人は何万といる。再建の必要性は認めるとしても、そんな状態で再稼働を急がせるべきではない。

 広瀬直己社長は、電気料金の再値上げを避けるためにも再稼働は必要と語ったが、値上げを「人質」に取るような経営姿勢ではますます不信を深めよう。

 新潟県の泉田裕彦知事は、東電が事前に相談なく安全審査の申請を決めたことに反発し、広瀬社長との会談は物別れに終わった。申請は遠のいた形だ。

 柏崎刈羽原発は2007年の中越沖地震で全号機が停止した。火災や微量の放射能漏れも起きた。ここでも東電の「安全」の想定は甘く、原発の基準地震動を大幅に引き上げざるを得なかった。

 知事の不信は、その時以来とされる。福島の事故が続き、そして今度の一方的な発表。どうかしている。

 6、7号機にはもう一つ大きな問題がある。原子炉建屋直下の断層だ。東電は活断層を否定するが、新規制基準に照らすと、別の判断になる可能性がある。

 そうである以上、断層調査を先行させるのが筋だろう。安全審査を行うにしてもその結果いかんで判断すればいい。東電も自らの立場を自覚すべきだ。

−−−神戸新聞、社説(25.7.8)












5原発10基、8日申請=新規制基準施行、審査へ(25.7.7)


原発の新たな規制基準が8日施行され、関西電力など4社は5原発10基の再稼働に向け、原子力規制委員会に安全審査を申請する。規制委は、審査に原発1カ所当たり少なくとも半年程度かかるとの見通しを示している。
 8日は北海道電力泊原発1〜3号機(北海道泊村)、関電大飯原発3、4号機(福井県おおい町)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)などが予定。東京電力も柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県柏崎市、刈羽村)の早期申請を目指すと表明したが、同県などの理解を得られず時期は未定となっている。
 新基準では、東電福島第1原発事故の教訓を踏まえ、シビアアクシデント(過酷事故)対策を初めて義務化。格納容器内の圧力を外部に逃がす「フィルター付きベント」などの設置を義務付けた。
−−−時事ドット・コム(2013/07/07)



申請予定の原発










原発10社、廃炉検討ゼロ=新基準でも再稼働方針−選別進まぬ可能性(7.7)


東京電力福島第1原発事故を教訓に、原子力規制委員会が策定した原発の新しい規制基準が8日に施行される。基準を満たすには巨額の対策費用が必要で、老朽化した原発を中心に選別が進むとみられていたが、原発を保有する電力会社など10社のうち、現時点で新たな廃炉を具体的に検討している社はないことが各社への取材で分かった。
 原発の運転期間は原則40年だが、延長を申請する方針の社もある。電力会社に廃炉の判断を委ねる現在の制度では、安全性に懸念がある原発が再稼働を認められないまま存続する可能性もある。
 新基準は、事故の際に格納容器内の圧力を下げるため放射性物資を減らして排気する「フィルター付きベント」や、免震重要棟などの緊急時対策所、原発を操作する中央制御室が使えない場合の「第2制御室」などの整備を求めている。規制委が新基準に基づいて審査し、安全が確認されなければ再稼働できない。
 国内には現在50基の商用原発があるが、時事通信が原発を保有する電力9社と原発専業の日本原子力発電に取材したところ、新たに廃炉を予定したり、廃炉の検討に入ったりしたと回答した社はなかった。
−−−時事ドット・コム(2013/07/07)











7原発周辺で再稼働「容認」34首長…読売調査(25.7.7)


原子力発電所の安全審査の受け付けが8日から始まるのを前に、早期申請を予定する電力5社7原発の30キロ圏にある11道府県と61市町村の首長に対し、審査終了後の再稼働を認めるかどうか読売新聞がアンケートを実施したところ、4人が「認める」と答えた。

 「条件付きで認める」とした30人を合わせると、半数近くが容認する姿勢を示したのに対し、「認めない」は7人だった。ただ、31人が「現時点では判断できない」などと回答せず、国側に住民の理解を得る努力を求める声が相次いだ。

 原発の再稼働時に地元自治体の同意が必要かどうか、法律などに明確な規定はない。電力会社が自治体と結ぶ安全協定でも、事前協議が必要となるのは安全上の問題などがある場合だ。取り決めの上では、審査などで安全と認められれば、必ずしも同意を得る必要はないが、国は地元理解を得る方針を示している。

−−−読売新聞(2013年7月7日0)












原発の重要性「国に確認」 再稼働同意条件に関し福井県(25.7.2)


福井県議会は1日、原発・防災対策特別委員会を開いた。原発の再稼働に同意する条件について県の櫻本宏安全環境部長は、8日に施行される新規制基準への適合を前提に「国に原発の位置付けをしっかり確認した上で、県会の意見を踏まえて判断する」と述べた。大飯3、4号機の再稼働については、関西電力から8日に申請する見通しとの報告を受けていると説明した。

 中川平一、前田康博両委員(いずれも自民党県政会)に対する答弁。

 櫻本部長は「県民の安全安心が第一」と基本姿勢を明確にし、原子力規制委員会が新基準への適合性を確認することが必要と指摘。県としても独自に適合状況などを点検すると述べた。

 「エネルギー政策における原発の位置付けが中ぶらりんになっている」と懸念を示し、「原発は重要な電源」というメッセージを国民に送り、エネルギー政策を再構築するよう国に強く要請する考えを示した。

 9月の定期検査まで運転継続が認められる見通しの大飯3、4号機については「事業者から8日の施行日に再稼働申請すると聞いている」と説明。早期の再稼働を目指す関電は、申請書類が整えば高浜原発3、4号機と併せて、安全審査を申請するとみられる。

 ただ、大飯原発は敷地内の破砕帯(断層)に関して、規制委が評価会合を継続中。櫻本部長は「定検は11月か12月に終わると思うが、それまでの間、破砕帯調査を含めた規制委の安全審査が終わっているのか(は分からない)」とし、今後のスケジュールは見通せないとの認識を示した。
−−−福井新聞(25.7.2)



太陽光発電は原発に代わる可能性、太陽光発電を見る。






原発新基準:被災者から憤りの声 歓迎する自治体も(25.6.21)


東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえ、19日の原子力規制委員会で決まった原発の新規制基準。放射能に生活を奪われた被災者からは「新基準をクリアすればいいのか」と深い憤りの声が上がり、厳しい安全確認を求める意見が出た。一方、電力各社が再稼働申請に向けた動きを加速させるとみられる原発の立地自治体からは「審査を迅速に」と望む声も聞かれた。【栗田慎一、柳楽未来、宝満志郎、戸上文恵】

 ◇福島

 「国は新基準作りの前に福島第1原発5、6号機と、第2原発の廃炉を求める福島県民の声に応えてほしい」。原発事故で全住民が避難中の福島県葛尾村の主婦、佐藤恵美さん(36)は訴える。

 中1?小3の男女4人の母親で、田舎暮らしにあこがれ宮城県蔵王町から2010年6月、一家6人で移住した。毎日のように森や小川でどろんこになって遊ぶ子供たちを見て「夢のような生活」と思ったが、原発事故で避難し、福島県三春町の仮設住宅で暮らす。「放射線が不安で村に帰るのは無理。再稼働の可能性があるなら、なおさら戻れるわけがない。新基準をクリアしたからといって、首相や国会議員は原発のそばで暮らせますか」と問いかける。


福島第二発電所

 ◇柏崎刈羽

 東京電力柏崎刈羽原発を抱える新潟県の泉田裕彦知事は、新規制基準について「ハード面に偏っていて、事故時の組織の動きという観点がない。福島の事故を踏まえているとは言えない」と批判。新規制基準が義務づけるフィルター付きベントの基礎工事を進めていることにも「どう運用するのか説明がなく、信頼関係を築けるはずがない」と改めて不快感を示した。

 ◇浜岡

 中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)では、フィルター付きベントの工事が既に始まっている。一方で東海地震の想定震源域という立地の問題もあり、川勝平太知事は「浜岡には独自のいろいろな論点がある」と、基準の適合以外にも検証すべき課題があるとの認識を示した。


浜岡原発と防潮堤

 ◇東海第2

 日本原子力発電東海第2原発がある茨城県東海村で、廃炉を訴えている村上達也村長は「規制委に財界などから圧力がかかるだろうが、新基準を厳格に適用してほしい」と注文を付け「新規制基準に合格したら『再稼働はOK』という論理にはならない」と地元合意の必要性を強調した。


東海第2発電所

 ◇伊方

伊方原発

  大飯

大飯原発


  泊

泊原発

ーーー毎日新聞(25.6.21)




全国5ケ所の原発と今回申請する原発








原発新基準、来月8日にも施行…規制委が了承へ(25.6.19)


全国の原子力発電所に厳しい安全対策を義務づける新規制基準が、7月8日にも施行される見通しとなった。

 これまで検討を進めてきた原子力規制委員会が、今月19日の定例会で新基準の最終案を了承する方針を固めた。施行直後から原発再稼働に向け、電力各社による安全審査の申請が相次ぐと予想されることから、規制委は並行して対応できるよう、80人規模の審査体制で臨む。

 新基準は地震、津波対策の厳格化と、重大事故対策の強化などが大きな柱。具体的には、活断層の有無を判断する地質調査の範囲を「過去40万年」まで拡大する。放射性物質の濃度を下げて、原子炉内の蒸気を放出する「フィルター付きベント(排気)設備」なども新設。航空機突入などのテロ対策も考慮する。

−−−読売新聞(2013年6月18日)


何か規制委員会の原発再稼働が一任され、これで事実上の解禁になるが、原因追及が解決を見ない時点での、決定は電力会社の赤字経営に押された結果と批判されるのは当然だろう。逆に活断層の過去を40万年まで拡大した根拠には疑問がのこる。世界最高の厳しさと宣伝するが、リスクが相応に減少せねば意味はない。リスクの減少には地震予知や、津波予知を早く正確にできれば実現できる視点がないが、今注目を浴びている電磁波で大地震を予知できるネットワークと、ピンポイントで予知できるVLF/LF利用の地震予知技術を確立することは、原発事故のリスク減少に役立つのではないだろうか。経済性、合理性も大切な規制要素なのに、この配慮が見えず、交渉事で解決しようというのか、実際の再稼働の筋道は、相変わらず暗く、見難い。

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6原発が再稼働申請へ 規制委、新基準19日に決定


原子力規制委員会は19日に開く会合で、原子力発電所に義務づける新しい規制基準を決める。近く閣議決定し、7月8日にも施行する見通しだ。東京電力福島第1原発の事故の教訓を踏まえ安全対策を厳しく見直した。基準に合えば再稼働を認める。全国で少なくとも北海道、関西、四国、九州の4電力会社が6原発の再稼働を早期に申請する構えだ。

 新基準は従来の想定を大幅に超える地震や津波への対策を求める。各原発は地震動や津波高の想定の上積みを迫られる見通しだ。防潮堤の整備など大規模な対策が必要な原発も出る。活断層は12万〜13万年前以降の地層で見つからなければ40万年前まで探すよう求め、活断層の真上にある原発は運転を認めない。

 これまでの規制では電力会社に任せていた過酷な事故の対策も求める。放射性物質を取り除くフィルター付きベント(排気)装置を沸騰水型軽水炉(BWR)に義務づけ、周辺地域の汚染を防ぐ。航空機を使ったテロなども想定し、事故対応を指揮する緊急時の対策所を求める。

 原発の運転期間は原則40年。最大20年の延長を認める制度も導入する。運転できる期間が短いわりに対策のコストがかかりすぎるとの判断から、廃炉を迫られる原発も出る可能性がある。

 8日にも施行する新基準を受け、電力会社は再稼働の準備を急ぐ。申請は施行の当日から受け付けられる。今のところ6原発の申請が有力だ。

 具体的に準備しているのは北海道電力泊1〜3号機(北海道)、関西電力高浜3、4号機(福井県)、同大飯3、4号機(同)、四国電力伊方3号機(愛媛県)、九州電力玄海3、4号機(佐賀県)、同川内1、2号機(鹿児島県)の合計12基。いずれも加圧水型軽水炉(PWR)で、格納容器が大きい。BWRのようにフィルター付きベント装置の即時導入は義務づけられていない。

 規制委の審査は当面、3班の計80人体制で臨む。1班が並行してチェックする場合もあり得る。再稼働が大幅に遅れれば、電力会社では再値上げやリストラが課題に浮上する。早期稼働を見込める原発を持つ各社は焦りを深めている。
−−−日経新聞(25.6.19)














原発新基準 あす決定 規制委方針 来月上旬にも施行(25.6.18)


原子力規制委員会は17日、来月上旬にも施行される原発の新規制基準を19日に開かれる定例会で決定する方針を固めた。防潮堤の建設や、事故が起きた場合の前線基地となる緊急時対策所の設置、火災対策の強化などが柱。基準の内容が正式に決まることで、再稼働に向けた足場が整う。

 新基準は昨年9月の規制委発足直後から議論され、今年1月に骨子案を提示。4月から1カ月間の意見公募(パブリックコメント)を経て成案を練ってきた。

 新基準は大規模災害やテロなどの「過酷事故対策」に加え、「設計基準の見直し」、「地震・津波対策」の計3本で構成。東京電力福島第1原発事故の教訓から、電源や注水設備などが故障しても、複数でカバーできるようにする「多重化・多様化」が特徴だ。

 具体的には、放射性物質をこし取る「フィルター付きベント(排気)」を沸騰水型軽水炉(BWR)で義務づける。事故で中央制御室が使えなくなった場合に備え、免震機能を持った緊急時対策所が必要になる。

 活断層の直上に重要施設を設置しないことも規定。活断層の評価年代を従来の「13万〜12万年前以降」から「40万年前以降」と拡大した。
−−−産経新聞(25.6.18)









原発 机上の「安全」 避難、医療 危うく


 原発が備えるべき新たな安全設備、地震・津波対策、住民を守る地域防災−。原子力規制委員会による三つの基準・指針案が六日、出そろった。東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえ、規制が強まった点は確かに多い。だが、運用次第では基準が骨抜きになる恐れもある。自治体がまとめる防災計画にしても、重大事故が起きた際、机上の計画通りに物事が進むはずもない。基準や指針は、これで安全ではなく、最低限の備えにすぎない。

 原発にどんな設備を付け加えれば安全性が向上するのか。その骨子案が固まる直前の一月二十五日の専門家会合は、さながら電力会社による安全設備の「値切り交渉」の場になっていた。

 例えば、原子炉に確実に注水し、冷却するため、原発一基につきポンプ車を四台用意するよう求めるよう基準案に書き込まれた。

 東京電力福島第一原発では、電源にしても原子炉の冷却設備にしても多重化はしていたものの、電源が水没して冷却設備がコントロールできなくなり、大事故につながった。その教訓を反映した。

 防潮堤、放射性物質を千分の一程度に減らすフィルター付きのベント(排気)設備、事故時の最前線基地となる作業拠点…。どれも苦い教訓から必要と判断されたものだ。

 座長で規制委の更田(ふけた)豊志委員は「基準案には、今考え得る対策を全て入れたつもり」と話すが、それでも穴はあるかもしれない。

 それなのに、電力会社の側は「混乱するし、冗長(無駄)だ」と反論した。ポンプ車やその要員を余分に確保したくない意図がありありだった。

 会合では「発生頻度だけでリスク(危険)を評価すべきだ」と、またもや「想定外」を招きかねない発言も聞かれた。

◆巨額投資

 新規制基準案で求められる内容を全て満たすためには、巨額の投資が必要となる。

 先月中旬、関西電力と九州電力は新年度からの三年間で、原発への新たな対策にそれぞれ千九百五十億円、千二百八十三億円が必要と発表した。これから検討する対策もあり、金額はさらに膨らむ。

 「どこまでやれば再稼働させてもらえるのか…先が見えない」。ある東京電力の中堅社員は嘆いた。

 だが、原発事故が起きれば広範囲に重大な被害が及び、長期にわたる。どこまで対策をすれば安全になるというものではない。

 「なぜ、原発のためにここまでやらねばならないのかと思う」。専門家会合で、明治大の勝田忠広准教授(原子力政策)はこう指摘したが、まさに原発の抱える限界だ。

 資金面の問題もさることながら、電力会社が新基準を実施するためには、相当の年月がかかりそうだ。

 「電力会社が改修計画を立案→規制委による審査→改修工事→規制委による審査」というステップを踏み、ようやく原発再稼働の最低条件にたどり着くことになる。

 ところが、規制委そのものが対応は手探り状態。新基準では、原発ごとに最大級の津波を想定し、防潮堤などの整備を求める。ただし、その想定が正しいかどうか審査する手順や判断基準すら決まっていない。

 新設備の中には時間的な猶予が与えられるものもあるが、規制委が猶予を乱発すれば、またも国民不信が高まる結果にもなる。

◆地域は難航

 では、原発の周辺住民の安全面は改善されるのだろうか。

 防災指針を受け、自治体は新たな地域防災計画づくりを進めているが、作業は難航している。三月十八日が計画づくりの期限だが、市町村では五月くらいまでずれ込む見通しになっている。

 原発から五〜三十キロ圏では毎時〇・五ミリシーベルト(五〇〇マイクロシーベルト)を計測すれば避難を始めることになっているが、年間の被ばく線量限度にたった二時間で達する極めて高い値だ。


 「それまでの間は屋内にいれば大丈夫」と言われても、じっと耐えられる住民がいるのだろうか。

 避難となった時に、住民をいかに避難先に運ぶか、輸送手段の確保も大きな問題。真っ先に放射線の計測に当たるのは自治体職員だが、測定器の数も操作できる職員も不足している。

 原発事故で避難した住民たちの被ばく医療にしても、地域の医療機関が担い手となることが指針案に書かれているが、そもそも地域医療が崩壊しつつあるのが実情だ。

 「防災対策ができていない段階で、原発を動かすという判断はしない」。昨年九月に規制委が発足した際、田中俊一委員長はこう明言した。

 ただ、ここでいう防災対策が、実際に機能するのかどうか訓練などで検証していない単なる机上の計画では、住民を原発事故のリスクにさらすだけだ。
−−−東京新聞(25.2.7)





主な過酷事故対策



主な対策(毎日新聞)









福島事故の調査開始=水素爆発など先行−規制委検討会、課題ごとに結論


東京電力福島第1原発事故で、政府や国会などの事故調査委員会で未解明とされた部分を分析する原子力規制委員会の専門家検討会が1日、初会合を開いた。当面の課題として1号機原子炉建屋内で目撃された出水や、4号機建屋の水素爆発の原因究明が選ばれた。来年末に出る国際原子力機関(IAEA)の事故調査報告書に反映するため、この2点は年内に一定の結論をまとめる方針。
 検討会は、2月に発覚した国会事故調に対する東電の虚偽説明問題などを機に設置。政府や国会などの事故調で見解が異なる点や、未解明とされた部分について検討する。
 初会合では、国会事故調の報告書で指摘された地震直後の1号機原子炉建屋内の出水のほか、非常用復水器(IC)の配管破断の有無、非常用ディーゼル発電機の停止原因など地震の影響の確認、4号機の水素爆発の主要因などが検討事項とされた。このうち、地震の揺れでICが壊れた可能性を示す1号機の出水と、原因について見解が分かれている4号機の水素爆発が最初の検討課題となった。
−−−時事ドットコム(2013/05/01)


原子力規制委員会の専門家検討会が1日、初会合








原子力規制委、電力会社と溝 再稼働高いハードル

原子力規制委員会が全国の原発に適用する新規制基準が7月に施行されるのを前に、電力各社の対応が進んでいる。新基準に適合するため、業界全体で総額1兆円以上をかけて津波やテロなどに備えた安全対策を目指す。ただ、断層調査をめぐり規制委と電力会社で見解の相違が埋まらないほか、規制委の審査体制が整っていないなど原発再稼働のハードルは高い。

 今月10日に決まった新規制基準最終案は、大規模な地震や津波、テロなどに備え、電源や注水設備の多重化などを求める一方、活断層の真上に重要施設を設置しないことも定めた。

 中部電力は26日、浜岡原発(静岡県)5号機周辺の施設で最大1900ガル程度の地震動を想定した耐震工事を実施すると発表。国内の原発としては最も大きな揺れを想定したものだ。浜岡原発では津波対策として防潮堤のかさ上げ工事も進める。東京電力も柏崎刈羽原発で過酷事故が起きた際、原子炉建屋内にたまった水素の処理設備を設置するなど、各社とも原発の安全性を高めている。

ただ、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)のように、規制委が原子炉直下に活断層があると判断した場合、廃炉を迫られる可能性がある。規制委の専門家調査団は昨年12月、敦賀原発2号機直下を通る断層が活断層であるとの認識で一致。これに対し、原電など電力会社側は「客観的な事実・データに照らしてみると極めて疑問が多い」と異議を唱えた。規制委は5月にも最終判断を示す見通しだ。

 こうした両者のやり取りについて、山崎晴雄・首都大学東京大学院教授は「原電側はきちんとデータを出しているのに、規制委は『原電の主張は信頼性がない』などと、主観的な主張を繰り返している」とみる。米原子力規制委員会のウィリアム・マグウッド委員も「最終的に規制基準を作るのはわれわれの側だが、その過程で事業者と円滑なコミュニケーションを取ることが必要不可欠だ」と指摘する。

 規制委は、新規制基準の施行に伴い、電力会社から再稼働の申請を受け付ける方針。だが、再稼働を同時に審査できるのは3カ所の原発にとどまる見通しで、規制委は審査には早くても5年かかると試算している。電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は19日の会見で、「安全確認がされない状況が長期にわたらないよう、効率的な審査を実施していただきたい」と規制委に求めている。
−−−産経新聞(25.4.27)









秋にも原発再稼働=茂木経産相


茂木敏充経済産業相は23日夜、BSジャパンの番組に出演し、原発再稼働の時期に関して「(早ければ)今年の秋になる」との見通しを示した。経産相は根拠として「原子力規制委員会の新規制基準が7月18日に出来上がる。事業者が申請して安全が確認できれば再稼働となる」と説明した。
 原発を抱える地元の理解が重要だが、茂木経産相は「そのための努力はしていく」と述べ、安全確認後に立地自治体との調整を進める考えを示した。現在、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が全国で唯一稼働している。
時事ドットコム(2013/04/23)






中間貯蔵、候補地を公開=福島県大熊町で調査着手−環境省


環境省は23日、東京電力福島第1原発事故で生じた汚染土を保管する中間貯蔵施設の建設に向け、福島県大熊町の候補地を担当者が実際に歩く本格調査に着手し、報道陣にその様子を公開した。現地調査は3カ月程度かかる見込み。詳細な地質や地下水を調べるボーリング調査なども実施し、早期に建設地を絞る考えだ。



中間貯蔵施設の建設候補地で、ため池から採取した水を調べる調査会社の社員=23日午後、福島県大熊町

 調査を公開したのは大熊町内の候補地6カ所のうち、福島第1原発から南西に2〜3キロ程度の大和久地区。町営のスポーツ施設に隣接した地域で、出入りが制限される帰還困難区域(年間被ばく量50ミリシーベルト超)とされている。
時事ドットコム(2013/04/23)







高浜原発の防護壁公開 関電、津波浸水対策


関西電力は11日、東京電力福島第1原発事故を受けた津波浸水対策の一環として、高浜原発(福井県高浜町)に新たに設置した防護壁を報道関係者に公開した。非常用ディーゼル発電機を守り、水位6mまで浸水に耐えられるという。関電によると、防護壁は強化プラスチック製で、鋼鉄製の支柱で支えられている。高さ約2.5mで、海抜約3.5mの位置に建設された。非常用ディーゼル発電機の冷却用海水ポンプを浸水から守るため、周囲を取り囲むように設置され、総延長は約340m。出入りができるよう水密扉も設けた。昨年5月に着工し、3月に完成した。関電は津波対策として、2016年3月までに高浜原発の周辺に高さ約11.5m、長さ約50mと、高さ約6m、長さ700mの2種類の防潮堤を設置する工事を進めている。


 <報道関係者に公開された、関西電力高浜原発の津波浸水対策の防護壁。奥は2号機、福井県高浜町>
−−−産経新聞(25.4.11)







原発の新安全基準決定、地震・噴火対策を厳格化


原子力規制委員会は10日の定例会合で、全国の原子力発電所に義務づける新たな規制(安全)基準の最終案などを決めた。

 電力会社に対し、重大事故対策の大幅な拡充を求めるとともに、地震や津波、噴火などの自然災害対策を厳格化した。運転期間を原則40年とする制限も導入した。従来の原子力規制体系の抜本的な見直しの集大成で、7月以降、再稼働の安全審査を行う基準となる。

 新基準に照らすと、現時点では、全国17か所の原発(計50基)のうち、四国電力・伊方原発(愛媛県)と九州電力・川内(せんだい)原発(鹿児島県)が、早期再稼働の有力な候補だ。両原発とも、敷地内に活断層がないことを確認済みで、津波や火山対策の準備が先行する。他の15原発では、再稼働前に達成すべき緊急性の高い課題が残る。規制委は、同時に審査可能な原発は3か所との考えを示している。

−−−読売新聞(2013年4月10日)

事故原因の解明が終了していないのに新安全基準は疑問が残るし、いずれ修正追加の形をとらざるをえないだろうが、とても国民の安全第一に真剣に取り組んでいるとは思えません。(編集部)






浜岡再稼働:15年春以降…中部電見込み 新基準適用で


原子力規制委員会が了承した原子力発電所の新規制基準案で、沸騰水型軽水炉に義務づけられる「フィルター付きベント(排気)装置」について、中部電力が浜岡原発(静岡県御前崎市)への設置を経済産業相と規制委に既に申請していたことが、10日分かった。15年3月の設置完了を見込む。中部電は来年の浜岡原発再稼働を目指していたが、再稼働は2年後以降になることが確実になった。

 浜岡原発3、4号機に装置を設置する工事計画を申請した。「設計から設置までに2年程度かかる」(中部電幹部)といい、認可を前提に今年6月着工、15年3月完工を見込む。5号機についても近く申請する方針だ。

 東京電力福島第1原発事故を受けた政府の要請で、浜岡原発は11年5月に停止。再稼働に向け現在、海抜22メートルの防波壁建設など津波対策工事を実施中だ。この工事は今年末に完了予定で、中部電は当初、地元自治体の同意を得たうえで、年明け以降の早い時期の再稼働を目指していた。

 規制委は10日、福島第1や浜岡原発と同じ沸騰水型軽水炉について、過酷事故対策としてフィルター付きベント装置設置を義務付ける方針を決定した。中部電は同日、規制委の方針を受け「要求事項にできる限りすみやかに適合することを目指し、具体的な対応を検討する」とコメントした。
−−−毎日新聞(25.4.11)



浜岡原発の主な津波対策工事(朝日新聞、12.21.2012)



     
軽水炉の構造                  安全対策 イメージ図(朝日新聞)




各原発の対応状況(産経新聞)










原発安全対策:新基準外でも実施は5社 電力10社アンケ-ト


原発の安全確保について、国の新しい安全基準で求められていない対策を「実施する」と答えた事業者は半数にとどまることが、毎日新聞のアンケート調査で分かった。国の規制は安全確保で最低限守る基本線とされる。しかし、福島第1原発事故では東京電力は事前に巨大津波の可能性を試算しておきながら、国から求められていないなどとして対策に生かせなかった。事業者によっては事故後も受け身体質が残っている可能性がある。

 調査は2月下旬?3月上旬、原発を運転する事業者10社に実施。新安全基準の対象外になる安全対策への考え方を尋ね、全社が答えた。

 各社の担当部署が国内外から収集した安全情報を分析した結果、追加対策が必要だと判断した場合、原子力規制委員会が定める安全基準の範囲外でも「実施する」と答えたのは、東電▽中部電力▽関西電力▽四国電力▽九州電力??の5社だった。このうち東電と中部電、四電の3社は、仮に費用が高額になっても実施する考えを示した。

 しかし、他の5社は「総合的に判断する」(日本原子力発電)や「世界最高水準を目指す」(北陸電力)などと回答。その時々で必要な対策を検討するとしたが、基準外の対策を実施するかについては明確にしなかった。

 安全基準では、放射性物質をこし取るフィルター付きベント装置など地震・津波対策や過酷事故対策を規定している。ただし、規制委は「基準は最低限守るべきラインで、原発の安全を守る一義的な責任は事業者にある」としている。

 政府の事故調査・検証委員会の委員を務めた九州大の吉岡斉(ひとし)教授は「事業者間で自主的な安全対策を競い、公表するくらいにならないと、住民から原子力への信頼は得られない」と話す。【奥山智己】

 ◇「受け身姿勢」なおも

 7月に施行される原発の新たな安全基準について、基準外の項目は実施しなくても違法とはならない。毎日新聞のアンケートで原発を運転する半数の事業者が、対象外の項目について「実施する」とは答えなかった。

 この点について、東京電力福島第1原発事故の原因を調べた国会の事故調査委員会の黒川清・元委員長は「(言われたことだけをこなす)事業者の受け身の姿勢が背景にあった」と問題視する。その上で「規制機関も安全を守る一義的な責任は事業者にあるという言い訳は許されない」と指摘する。
 原子力規制委員会は新たな安全基準について、「世界一厳しい」と自負し、事業者も国内外の安全情報を収集、分析する体制を整えつつある。規制委は、最新の知見を踏まえた対策を積極的に導入した事業者が社会的に評価される制度を構築するなど、安全を競えるよう誘導することも検討すべきだ。
−−−毎日新聞(25.3.18)









再稼働へ「不明な点多い」 対応に苦慮する事業者浮き彫り【電力会社アンケート】(3.17)


電力事業者を対象とした産経新聞調査からは、原発再稼働に向けた手続きを進めたいにもかかわらず、再稼働を判断する原子力規制委員会の新安全基準がいまだに骨子案しか示されていない上、再稼働申請の具体的な手順も示されない中、対応に苦慮する様子が浮かびあがった。

 調査では各電力事業者に対し、再稼働の申請時期の見通しを尋ねたが、全事業者が回答を留保した。

 「規制委が新安全基準について議論中で、明確に答えられる状況にない」(日本原子力発電)、「審査に必要な手続きなど、不明な点が多い」(東北電力)ことなどが主な理由として挙げられた。

 事業者が再稼働申請を明言できない背景には、規制委が再稼働の条件を示せていないことがある。

 規制委は1月、新安全基準の骨子案を提示。放射性物質が除去できるフィルター付きのベント装置の設置や、航空機事故などに備えて第2制御室を設けることなどが明記された。

 こうした対策の中には整備に数年単位の時間がかかるものもある。将来的には各原発とも整備する必要があるが、規制委は一部の対策については「猶与期間」を設ける方針で、再稼働の条件とはしない意向を示している。

ただ、どの対策に猶与期間が設けられるかは未定で、各事業者が規制委の動向を注視しているのが現状だ。

 一方、規制委は原発の運転期間を原則40年としている。新基準に適合させるための対策には膨大な費用がかかるため、30年を超えた原発については対策を講じるよりも、廃炉を選択する経営判断もあり得るが、現時点で廃炉の検討をしている事業者はゼロだった。

 九州電力は「60年の運転を仮定しても安全に運転を継続できることを確認している。米国でも約7割が60年運転の許可を得ている」と、新基準に対応していくことを明言。北海道電力も「40年で制限することについての技術的な根拠を明確にしていただきたい」と規制委の方針に疑問を呈している。

 ただ、「今後の規制委の議論を踏まえた上で対応したい」(関西電力)など、廃炉の選択肢を否定しない回答もあった。ある電力会社の若手社員も「これほど規制が厳しくなり、40年しか運転できないなら原発から手を引いた方がよいのではないか」と話している。

−−−産経新聞(25.3.17)









メルトダウン;その連鎖の原因を探る−パート2、NHK(25.3.10)


3号機に注水の半分以上漏出か

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、1号機に続いてメルトダウンした3号機について、当時、消防車から緊急に原子炉に向けて注入した水の半分以上が、別の装置に漏れ出し、冷却に必要な量の水が原子炉に入っていなかった可能性の高いことが、NHKが専門家と共に行った解析や実験で分かりました。
消防車は、事故のあと、安全対策の要として全国の原発に配備されていますが、原子炉に確実に水が入るのか、事故から2年になる今も十分な検証が進んでいない実態が浮かび上がりました。

おととし3月の福島第一原発の事故では、1号機から3号機まで次々にメルトダウンし、建屋が水素爆発するなどして、大量の放射性物質が外部に放出されました。
事故から2年、なぜメルトダウンを防げなかったのか、十分な解明が進まないなか、NHKは、当時緊急に行われた消防車からの原子炉への注水に注目し、なすすべなく最初に水素爆発した1号機のあとに危機を迎えた3号機で検証しました。
消防車による注水を巡っては、一部が原子炉以外のどこかに漏れているのではないかという指摘が専門家からあり、NHKは、独自に入手した3号機の配管の図面などを基に、専門家と共に詳しく分析しました。
その結果、消防車から原子炉までの配管ラインの途中に水の抜け道があり、ここを通って、原子炉とは別の装置に水が漏れ出る可能性のあることを見つけました。
この抜け道の先には、発電に使われた蒸気を再び水に戻す「復水器」と呼ばれる装置があり、通常はその途中にあるポンプが動いていて水がせき止められるため、復水器に水が流れ込むことはありません。
ところが、専門家の協力を得て実験すると、ポンプが止まった場合、素通りして水が先に流れることが分かり、すべての電源を失った福島の事故の際には復水器側に水が漏れ出る可能性が高いことが分かりました。
当時、3号機の復水器は通常ではあり得ない満水状態だったことが、事故直後に東京電力が行った記者会見で明らかにされていて、今回の実験結果を裏付けています。
さらに、消防注水した際の当時の3号機の水の流れを実験で再現し、その結果を基に専門家が解析すると、原子炉に入らずに漏れた量はおよそ55%に上り、この量ではメルトダウンを防げなかったという結果になりました。
一方、漏れた量が25%までなら、メルトダウンは防げるという結果になっています。
消防車は、事故のあと、安全対策の要として全国の原発に配備されましたが、原子炉に確実に水が入るのか、事故から2年になる今も十分な検証が進んでいない実態が浮かび上がりました。
法政大学の宮野廣客員教授は、「消防車を配備すれば終わりではなく、本当に核燃料を冷やすのに十分な量の水が入るのかを確かめなければ、意味がない。事故の検証は不十分だ」と指摘しています。

「放射性物質漏らさない」構造が落とし穴に

原子炉に向けて注水した水がポンプから復水器に漏れ出した背景には、放射性物質を外に漏らしてはいけないという、原発特有の“落とし穴”がありました。
水が漏れる原因となった、「復水器」につながるポンプは、1時間に2500トン近くの水を送り出す能力があり、猛スピードで回転するため、通常、軸の部分に少量の水を送り込んで熱の発生を抑える工夫が凝らされています。
一般のポンプであれば、水は送り込んだあと、そのまま外に排出しますが、原発で使うポンプの場合、放射性物質を含む水を外に漏らしてはいけないため、水でふたをする「封水」と呼ばれる特殊な構造をしています。
「封水」は、ポンプの羽根が回転する際に発生する水の圧力によって、ポンプに流れ込む水をせき止めます。
ところが、福島の事故では、すべての電源が失われてポンプが止まってしまったため、ポンプを素通りして、復水器に水が流れました。
緊急時に原子炉に注水する際、本来、水の漏れがあってはいけません。
ポンプの構造に詳しい東京海洋大学の刑部真弘教授は、「原発のように汚染水を絶対に漏らしてはならない状況では非常によくできた仕組みだが、電源が失われた今回は、大きな盲点になった。似たようなケースはほかにもある可能性があり、どこに弱点が存在するのか、徹底的に検証すべきだ」と指摘しています。

原子力規制委はまだ検証できず

消防車を使った原子炉への注水の検証が十分進んでいないことについて、国の原子力規制委員会で、原発の新安全基準作りを担当している更田委員に聞きました。
更田委員は「当然、漏れることは考えられるし、消防車やポンプ車で期待した量がすべて原子炉にいくわけではないと考えてもらっていい。安全基準や注水の手順で足りないところを見つけることは、事業者と個別の原子炉を対象に図面を基に議論しようとしているが、今の時点ではほとんどやっていない」と述べ、現状では規制委員会としても検証ができていないことを認めました。
そのうえで、今後の対応について更田委員は、「弱点探しや、実際に事故が起きたときにどうしようかという議論は、基準とは別の話だ。消防車による代替注水で十分な能力なのか、十分な手順なのか、万一事故が起きたときに実際に対応する人たちと私たちが向かい合って議論することになると思う」と述べ、消防車による注水のように、事故が起きたときの対応については、安全基準とは別に、事業者と直接議論をして対応策を検討する考えを示しました。

−−−NHK(25.3.10)


注水、復水器説明図










3号機の消防注水があと30%漏れずに原子炉を注水すればメルトダウンと水素爆発は免れた。


何故NHKだけが、問題点をあげて関係者は沈黙しているのだろう?

NHKが検証したところでは、イタリアのSIET原子炉実験所で、3号機の注水状況を再現して検証した。 結果は、消防注水の55%の水は、復元機に回り、45%しか原子炉に注水できなかった。 東電の現場もいくら消防注水しても、原子炉の水位が増えないので、どこか抜け道に水が回ってることは予感していたが、その原因を探る努力は見られなかった。
SIETの実験ではメルトダウンを防ぐにはあと25%の注水が補給できていれば、メルトダウンを防げたと判明した。
アメリカでは、福島事故を教訓として、ナインマイル原発では代替注水(消防車などによる緊急注水)の配管を別にする専用配管の対策を取り始めている。
日本ではどうだろうか? 依然として原因追及は不完全だし、判明した対策も遅々として進んでいない。 やってるのだろうが、誰も真剣さが周囲に伝わるほどのことはしてないようだ。
放射線の減るのを待って40年かけてのんびり廃炉をし、原因追及もそろそろ記憶も現場維持も困難になるというのに、
NHKの指摘したことが、原発関係者から1つも上がってこないのは、どうしたことだろう?

その時、何故もっと現場を見なかったのか?

代替注水の1件をとっても、専門家が何十人と現場にいて図面をみていたのに、なぜ選んだ注水の配管が復水器につながっているから、ポンプ経由で復水器にいく可能性を考えなかったのだろうか? なぜ復水器を見に行き、状況を把握しなかったのだろうか? 放射線が怖かったら、その時点で原発はやめるべきだ。 東電の人達は原子力を安全にコントロールできると豪語してたのだから、データーも入らない部屋に閉じこもってないで、フットワークよくどんどん現場に入って、調査すべきだった。 危機対策の防御服や、非常用の機器は万全だったのだろうから。
若手はすることがないから退去したいと申し出た一幕が会ったそうだが、それなら現場の巡回や、見張りをなぜさせなかったのだろう? 放射線量が高くて原子炉建屋に入るのを断念したというが、何故防御服を着て、自分達の目で確かめようとしなかたのか? それらをしなかった行動は理解しがたい。 まさか防御服の用意がなかったということではないだろう。

安全と主張した東電は本当に緊急対策や訓練をしていたのか疑問

優秀な人材を抱える東電の人たちが、パニックで発想が固まり、緊急時の作業や、実際どんな状況になるかも知らないままに、1号機のイソコンが稼働してるのではないかと希望的観測をしたり、バッテリー不足になることをすぐ予測できなかったり、水素爆発の防止が後手になったり、その後手が1号機から4号機まで連鎖して重大事故を起こし今でも、40万近い人が非難し、あと30年間も住めない広大な地区を作ってしまった。 2歩も3歩も譲って1号機はやむないにしても、何故そこで止められなかったのだろうか? とても緊急時の訓練を受けていたとは思えない。 こうした素人丸出しの人たちが原発の安全を守れるはずがない。 それなのに安全対策は万全だと言い切っていた東電の罪は重い。 今更もっとやれることがあったと悔やんでいるというが、何故それを必要な時、必要な場所でだせなかったのか! おざなりの訓練と知識がいかに意味のなく危険なものか。 いくら今後対策をハード面で充実しても、肝心の人間がこんな低落では、安全性は少しも向上しない。 

パニック対応が無理なら、何故それぞれ排気管を一緒にしたり、共通配線、共通配管を設計の段階から容認していたのだろう。その時点で今回の様なシビアな事故を想定していないミスがあったのではないだろうか? そうだとしたら、今の原発はとても再稼働ができるレベルにないことになる。

指摘された点を準安定期の今、現場検証を最優先すべきではないだろうか?

原発事故の関係者が本当に真剣に反省してるならば、再び最悪な事故を起こさぬように、事故原因の追究と疑問点の解明に徹底して全力をあげることではないだろうか? それならば、少なくともNHKの検証したベント(SR弁)、と代替注水が何故失敗したか、現場に戻って解明してほしい。又水素が逆流して、4号機が水素爆発したのは設計ミスなのか解明すべきだろう。関係者が黙ってるのは、否定できないからだろうか、しかし、NHKの検証が必ずしも正しいとは限らない。何よりも正しい原因を確認することに他ならない。
今のロードマップでは事故解明の現場検証の予定も見当たらない。 相変わらず目先のことに追われてそれが義務を果たしていると勘違いをしているようだ。これで原発を安心して再開できるといえるのだろうか? 巨大な防潮壁は圧倒はするが、問題はマネジメントする人間の教育と訓練と心構えだろう。

原子力規制委員会に期待大     
今の原発関係者には無理な課題だろうから、新たにできた原子力規制委員会が原因の追究と検証を迅速に進めるべきだ。
新たな視野にたって、納得できる原因と対策を早急に見せてほしい。 それがなくば、再開はないと明確な指針を出してほしい。

市民最優先の実地訓練の強化
原発の従業員の訓練として、最悪緊急時対応市民防衛隊を作り、極限の最悪状況にスムーズに対応できる訓練を行うことや、極限の最悪状態を何度も再現できるシュミレーション装置か、ミニ実験炉を作り、シュミレーション実験を行い、極限状態の対応にパニックに陥ることなく訓練することは重要なことだ。 教育の方針として、一般市民、村民、町民を最優先にして、原発関係者の人命は2次とする明確な人命の線を引き、災害を最小限に留める覚悟を徹底することがその基盤になるのではないだろうか。 この覚悟ができないなら、再稼働は困難だ。

−−−アイマート編集部(25.3.12)








メルトダウン;その連鎖の原因を探る−パート1、NHK(25.3.9)


放射性物質放出を引き起こした原因は?
原子炉のコントロールが困難に陥いり、「メルトダウン」していく事故の現場で何が起きていたのか? 福島第一原子力発電所の事故は、発生から2年がたった今なお多くの謎を残したままだ。
1号機が爆発した3月12日から2号機がメルトダウンを起こした3月15日までの3日間を検証する。この期間に高い放射性物質が多量に外部へ放出されていた。しかもそのほとんどは「水素爆発」によるものではなく、これまで想定もしていなかった SR弁と配管問題という可能性が浮かび上がってきた。史上最悪レベルの事故を防ぐことは出来なかったのか?

現場の作業を阻んだ放射線。そして外部からの支援も途絶え孤立して集団ヒステリー状態の原発の実態。NHK独自のデータと最新のシミュレーション、そして現場の当事者たちの証言から事故の真相に迫る。



1号機から3号機までの事故推移表





赤印で示すSR弁を開けることができず原子炉内の圧力が上がり、爆発(放射線の一挙排出)が生じたのではないか?何故SR弁が開かなかったのか? 地震対策ではCレベルの配管に問題はなかったか?



メルトダウンイメージ図

NHK スペシャル「メルトダウン 連鎖の真相」では、これまで原発事故調査委員会が指摘していなかった重要な事故原因を指摘していた。

【SR弁の説明】

その一つは、(2号機では)「SR 弁(主蒸気逃し安全弁)」を開くことができなかった。SR 弁は、原子炉に水を注ぐために原子炉内の気圧を下げる弁である。 SR 弁は2号機原子炉の外側に8つ備え付けられている。ベントできれば、原子炉の気圧を急速に下げて原子炉に水を注ぐことができる。 しかし、2号機原子炉の SR 弁は開かなかった。 






事故経緯説明1

■ 最も危険な2号機:水素爆発した1号機や3号機より、2号機が深刻なことになっていた。 最も危険なのは2号機      だった。

重要な安全装置である「SR弁」が開かないという重大な問題は何故生じたのか? このSR弁は沸騰水型原子炉、国内の26基に使用されている。 SR弁の問題は解明さていないままだ。

2号機で最終手段「ベント」解放を試みるが、「ベント」できない。 1、3号機はベントできた。 しかし2号機では出来なかった。 ベントのバルブは手動と遠隔(圧縮空気)2つあるが、手動は開けたが遠隔(圧縮空気)動かなかった。 手動と遠隔の2つのベントが開かないと、減圧できない。 原因は、空気圧が十分でなかったためだ。 ベント用圧空配管の地震による損傷、リークが疑われるが、未だその検証はなされていない。

2号機格納容器の圧力が急激に低下し「0kPa」となった。 格納容器破断と現場は感じた。 しかし、2号機格納容器に実際に何が起こったかは未だ分かっていない。 今も未検証のままだ。

■ 3号機のバックアップと調達の問題

3号機、爆発32時間前までバッテリの一部が生き残っていた。 津波から1日半過ぎバッテリー切れし「SR弁開操作不能」となる。 バックアップ電源として必要なのは12Vのバッテリーだったが、知らされていない自衛隊が用意したのは2Vのバッテリー。 12Vのバッテリーは50キロ離れた小名浜の物資集積所に1000個用意されていたが、放射線量が懸念される中、輸送する手段がなかった。 アメリカの場合は防護服、化学防護車が緊急時輸送のために常時準備されているが、日本の場合まったくその対応がなされていない。

結局、現場社員が現場周辺の車の12Vバッテリーをかき集めて、SR弁を開けようとした矢先に(水素漏れが続いていた為に)水素爆発した。




事故経緯説明2

■SR 弁は格納容器内にあり、「格納容器内の圧力が高くて SR 弁が開かなかった」可能性があるとのこと。それは構造上 の問題であると考えられる。


SR弁


格納容器内は高熱で高圧力のため、圧力不足でSR弁が開かずベントできなかった2号機。


■高熱のため格納容器内の圧力が高くなると矢印の方向に力が加わり SR 弁は開かない。

 NHK のナレーターは、本来、原子炉および格納容器の圧力を下げるべき SR 弁が格納容器の圧力によって開かなかった ことを「皮肉」っていた。

■2号機はベントできなかった。

 1号機、3号機はベントできたため格納容器の破壊を防ぐことができた。しかし。2号機はベントできなかった。その経過は、 ベントを行うためには、2つのバルブを開けなければならない。その一つは手動であり、いち早く開けることができた。もう一 つの遠隔操作で動かすバルブは開かなかった。そのバルブを開ける仕掛けは直径50ミリ、長さ70メートル以上の配管を 通る空気(圧)である。

 「2号機のベントを行うための第2のバルブ」は開かなかった。その理由は、上記「直径50ミリ、長さ70メートル以上の配管 」が地震で破れていたためではないか。 その「2号機のベントを行うための第2のバルブ」の耐震基準は低いCクラスであ った。このため配管が地震で一部破壊されて、圧力が出なかったと考えられる。


重要な疑問は未だ解決されない: 

 以上の経緯説明(原因)で、2号機の格納容器が破断し、2号機は大量の高濃度放射線を外部に排出した。 それを検証す るには、2号機の内部(格納容器の内部など)に入らと判らないが、他に原因があるのだろうか?
 すべての事故の原因が判明していない現時点で、原発の再稼働や、脱原発を決めるのは早計だが、
 放射線が高いとしても、1〜3号機の格納容器内に入れず、いまだブラックボックスのままで、何も決められない状態が今 も続いている。何故もっと集中して迅速にできなのだろう? 被害者はもとより、全国民が疑問を抱いてる。

−−−NHK(25.3.9)

     1〜4号機の最新状況を見る。








福島第一原子力発電所事故の実態・ 奈良林 直氏(ならばやし)教授

北海道大学大学院工学研究院教授 奈良林 直氏(ならばやし・ただし)による事故原因の実態の説明:





奈良林 まず津波によって非常用ディーゼル発電機、配電盤、バッテリーなどが海水で濡れてしまい、そのため原子力発電所のいろいろな計測制御が非常に困難になってしまいました。そして炉心冷却もままならない状況に陥ってしまった。さらに加えて残念だったのは、例えば、1号機は非常用復水器(IC)という強力な冷却機能を持った機器が付いていたにもかかわらず、その機能が十分に発揮できなかったことです。それから3号機でも格納容器のベント(排気)がなかなかできないなど、主蒸気逃がし安全弁(SR弁)が開かないなどの事態が生じました。


そして最後に、2号機の格納容器が気密性を失ってしまい、大量の放射性物質を外に出てしまいました。2号機でもベントラインにあるラプチャーディスク(破裂板)が破裂しなかったのです。本来、ベントできれば、これだけひどい状況にならなかったと思いますが、これらの機器が運転員の思うとおりに操作できなかったことが、さらに輪をかけて事故を拡大してしまい、地元に大変なご迷惑をかける事態になってしまったと私は見ています。

 ですから、単に津波で濡れただけということで事故を評価するのではなくて、日々の備えがなかった、必要な機材がそろっていなかったなど、こういったことが大きな反省点だと思います。

 事故の概要を簡単に言いますと、そういったところに集約されるのではないかと思います。


−−− 日本原子力文化振興財団(福島第一原発事故)
         原サイトでもっとを見る





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